今回の記事では、格安ノートPCに搭載されている「Ryzen 5 3500U」というCPUについて「どのくらいのスペックなの?」「Intel製のCPUと比較して何が違うの?」といった疑問に答えます。
以下の項目を踏まえておすすめノートPCも合わせて紹介するので参考にしてください。
また、当サイトでは「予算10万円以内で買えるゲーミングPC」を紹介していますので、あわせてご覧ください。
おすすめモデル | CPU | メモリ | ストレージ | サイズ | バッテリー | 重量 |
---|---|---|---|---|---|---|
IdeaPad Slim 170 | Ryzen 5 3500U | 8GB | 256GB SSD | 15.6型 | 約10.8時間 | 約1.6kg |
ThinkPad E15 Gen 3 | Ryzen 5 5500U | 8GB | 256GB SSD | 15.6型 | 約 13.2時間 | 約1.7kg |
mouse B5-R5 | Ryzen 5 5625U | 8GB | 256GB | 15.6型 | 約 7.5時間 | 約1.62kg |
Ryzen 5 3500Uの基本スペック
世代 | Ryzen Mobile APU 第2世代 |
開発コード | Picasso |
コア数/スレッド数 | 4コア/8スレッド |
動作周波数 | 2.1GHz |
最大動作周波数 | 3.7GHz |
TDP | 12~35W |
内蔵グラフィックス | Radeon Vega 8 Graphics |
PassMark CPU Markスコア | 7876 |
総合的な性能は、同等のスペックを持った「Intel Core i3 1115G4」と比較すると、「Ryzen 5 3500U」はコア・スレッド数で上回り、マルチコア性能が優れています。
マルチコア性能が優れているということは、簡単に言うとマルチタスクに向いているので、ビジネス目的や動画編集で活躍します。
Ryzen 5 3500Uのベンチマーク
ここでは「Ryzen 5 3500U」と同価格帯、性能が近いCPUや上位モデルと比較したベンチマークを紹介します。
特にIntel製のCPUとどう変わるのか気になる方はチェックしてください。
Ryzen 5 3500UのCPU Markスコア
ノートPCに使用されるCPUを「PassMark」というベンチマークソフトで計測したグラフになります。
PassMarkは重い計算処理を回す、動画処理など、CPUが様々な使われ方をされた場合の総合的な性能を評価しています。
基本的にこの値が高いほどCPUの性能が総合的に高いと思っていいです。
同世代の「Ryzen 7 3700U」や、低価格PCに採用される「AMD Ryzen 5 2200G」とほぼ同じ性能をしています。
ゲームや高解像度のイラスト制作などの用途にはスペック不足ですが、この価格帯のCPUの用途であるフルHDの動画編集や、ビジネス用PCとしての運用が最適です。
Ryzen 5 3500UのCinebench R23(マルチコア)スコア
Cinebench(マルチコア)で計測するスコアの主な指標は「マルチコアの性能」です。
マルチコアとは、CPUの頭脳の数のことを指し、マルチコア性能とはそれぞれのCPUの並列処理能力のことを指します。
このスコアが高いと、複数のアプリ動作などのマルチタスクに優れます。
マルチコア性能も先述した「PassMark」通り、コア数による違いがないのであまり順位は変動せずビジネス用PCとしては安定した性能を持っています。
Ryzen 5 3500UとIntel Coreシリーズ比較
ここでは、「Ryzen 5 3500U」と同じくらいのスペックのIntel製CPUを比較し、どのようなところが優れ、劣っているのかを解説します。
Ryzen 5 3500U vs Core i5-1135g7(ほぼ同等のスペックのCPUです)
世代 | 第2世代 |
コア数/スレッド数 | 4コア/8スレッド |
動作周波数 | 2.1GHz |
最大動作周波数 | 3.7GHz |
TDP | 12~35W |
CPU Mark | 7876 |
Cinebench R23(マルチコア) | 3544 |
発売日 | 2019年1月7日 |
価格帯 | 5万円~ |
世代 | 第11世代 |
コア数/スレッド数 | 4コア/8スレッド |
動作周波数 | 2.4GHz |
最大動作周波数 | 4.2GHz |
TDP | 12~28W |
CPU Mark | 9822 |
Cinebench R23(マルチコア) | 5913 |
発売日 | 2020年10月 |
価格帯 | 7万円~ |
消費電力・総合処理能力・マルチコア性能ともに「Core i5-1135g7」が優れていますが、ビジネス用途でいえば「Ryzen 5 3500U」でも十分快適に運用が可能です。
「Core i5-1135g7」の内蔵グラフィック処理は『VALORANT』を最低設定にして、ぎりぎり遊べるくらいの性能なので、軽めのゲームも楽しむ予定の方は「Core i5-1135g7」が向いています。
一方で「Ryzen 5 3500U」は性能は劣りますが価格は安いので、価格をなるべく抑えつつ軽い動画編集と仕事用として使用するのであれば「Ryzen 5 3500U」搭載ノートPCがおすすめです。
Ryzen 5 3500U vs Core i3-1115g4
世代 | 第2世代 |
コア数/スレッド数 | 4コア/8スレッド |
動作周波数 | 2.1GHz |
最大動作周波数 | 3.7GHz |
TDP | 12~35W |
CPU Mark | 7876 |
Cinebench R23(マルチコア) | 3544 |
発売日 | 2019年1月7日 |
価格帯 | 5万円~ |
世代 | 第11世代 |
コア数/スレッド数 | 2コア/4スレッド |
動作周波数 | 1.7GHz |
最大動作周波数 | 4.1GHz |
TDP | 12~28W |
CPU Mark | 6233 |
Cinebench R23(マルチコア) | 2696 |
発売日 | 2020年10月 |
価格帯 | 5万円~ |
エントリークラスながら、デュアルコアでなかなかのスコアを叩き出す「Core i3-1115g4」ですが、「Ryzen 5 3500U」には一回り処理能力が及びません。
搭載ノートPCの価格帯を見てもほぼ同価格なので、「Ryzen 5 3500U vs Core i3-1115g4」は「Ryzen 5 3500U」に軍配が上がります。
Ryzen 5 3500Uが向いている用途
「Ryzen 5 3500U」は結局どのような用途に向いているのか簡単にまとめるとこうなります。
用途 | 解説 | 評価 |
インターネット(動画閲覧・ショッピング) | YOUTUBE等で動画を観ながらの、ショッピング | |
ビジネス(Officeソフト・Web会議など) | Officeソフトでの資料作りをしながらの、Web会議 | |
ゲーム | 3Dグラフィックでの処理が必要なゲーム (2Dドットゲームは除く) | |
動画・画像編集 | 録画作業と、取り込んだ画像・動画データの編集 | |
3D制作 | 3D CADやBlenderなどを用いた3Dモデリング |
上記の表を踏まえて結論を出すと、ネットサーフィン・ビジネス利用は快適に行えます。
基本的にこのクラスのCPUは、グラボ搭載型のゲーミングノートPCは現在販売されていないので、グラフィック処理が重めの用途には向きません。
ゲームのプレイに関しては、要求スペックの高くない2Dゲームなら何とかプレイできますが、3Dゲームになると、設定を下げてもプレイは厳しく、最悪起動すらしないでしょう。
また、動画・画像編集などクリエイター向けの作業に関しても同様で、比較的軽めの作業ならできなくないですが、そもそも編集ソフト自体要求スペックのが高いので、ストレスを感じながらの作業になるのは間違いありません。
Ryzen 5 3500U搭載おすすめノートPC
Ryzen 5 3500Uを搭載したPCや、後継モデルを搭載したおすすめPCを紹介します。
また、Ryzen 5 3500Uは一昔前のモデルなのでBTOショップなどでは販売されていることが希少となっています。
どうしてもRyzen 5 3500Uを搭載したモデルを探したい方は、中古パソコンの失敗しない選び方を参考に中古パソコンショップで探してみて下さい。
おすすめモデル | CPU | メモリ | ストレージ | サイズ | バッテリー | 重量 |
---|---|---|---|---|---|---|
IdeaPad Slim 170 | Ryzen 5 3500U | 8GB | 256GB SSD | 15.6型 | 約10.8時間 | 約1.6kg |
ThinkPad E15 Gen 3 | Ryzen 5 5500U | 8GB | 256GB SSD | 15.6型 | 約 13.2時間 | 約1.7kg |
mouse B5-R5 | Ryzen 5 5625U | 8GB | 256GB | 15.6型 | 約 7.5時間 | 約1.62kg |
IdeaPad Slim 170
グラフィック : Vega8 Graphics
メモリ : 8GB
ストレージ : 256GB NVMe SSD
モニター : 15.6型
バッテリー : 約10.8時間
重量 : 約1.6kg
5万円台ながらRyzen 5 3500Uと、高速なSSD(PCIe NVMe/M.2)を搭載。
SSDで高速な読み込み速度とビジネス用途に耐えるCPUの組み合わせで、サクサクと作業をこなせる格安ノートPCです。
内蔵グラフィック「Radeon Vega 8 Graphics」の性能は、美麗な3Dグラフィックを売りにしたタイトルのプレイはできませんが、軽めの2Dゲームであればプレイ可能です。
わずか17.9mmと薄く収納や持ち運びにも便利で、Dolby Audio対応のスピーカーとHDウェブカメラにより、クリアなビデオ通話を楽しめます。
ThinkPad E15 Gen 3
グラフィック : AMD Radeon Graphics
メモリ : 8GB
ストレージ : 256GB NVMe SSD
モニター : 15.6型
バッテリー : 約 13.2時間
重量 : 約1.7kg
「Ryzen 5 3500U」の後継モデル「Ryzen 5 5500U」は、AMD Ryzenの最新チップ「Zen3」を使用しており、1コアあたりの周波数と並列処理が向上しています。
6コア12スレッドと1.5倍まで基本スペックが向上し、これにより特に動画エンコードのスピードが上がっています。
内蔵グラフィックの性能も『Fortnite』『VALORANT』くらいの軽いゲームであれば、設定次第で100fps以上のフレームレートでプレイ可能です。
軽めのゲーム、ビジネス用途、動画エンコードなどに幅広く使えるノートPCです。
>>公式サイトで「ThinkPad E15 Gen 3」を見る
mouse B5-R5
グラフィック : Radeon グラフィックス
メモリ : 8GB
ストレージ : 256GB NVMe SSD
モニター:15.6型
バッテリー駆動時間:約7.5時間
重量:約1.62kg
「Ryzen 5 5600U」のマイナーチェンジモデル「Ryzen 5 5625U」を採用し、内蔵グラフィック性能も「Ryzen 5 5500U」に比べて約97%も向上している高性能モデルです。
これにより、ビジネス利用だけでなく、イラスト制作を快適にこなせるようになり、軽めのゲームであれば快適にプレイ可能です。
また、PC本体も含めてトリプルディスプレイでの使用も可能で、USB Type-Cでの接続は65WのUSB Power Deliveryに対応しているので、モニターへの給電をPC本体から行えます。
USB給電の一番の利点は電源コードを省略できるところで、これによりモニターとPCにそれぞれACアダプターを用意する必要がありません。
高水準な環境でビジネスや動画作業を外出先でも行いたい方におすすめです。
注意点として、動画を扱う場合はオプションで「SSDの増設」をすることをおすすめします。
デフォルト256GBのストレージは動画を扱うには容量が小さいので、快適な動画作業を目指すのであれば+1TBはあると安心です。
Ryzen 5 3500Uまとめ
今回の記事では「Ryzen 5 3500U」の性能を解説し、後継モデルも含めたおすすめノートPCを紹介しました。
以下おすすめモデルのおさらいと、まとめです。
おすすめモデル | CPU | メモリ | ストレージ | サイズ | バッテリー | 重量 |
---|---|---|---|---|---|---|
IdeaPad Slim 170 | Ryzen 5 3500U | 8GB | 256GB SSD | 15.6型 | 約10.8時間 | 約1.6kg |
ThinkPad E15 Gen 3 | Ryzen 5 5500U | 8GB | 256GB SSD | 15.6型 | 約 13.2時間 | 約1.7kg |
mouse B5-R5 | Ryzen 5 5625U | 8GB | 256GB | 15.6型 | 約 7.5時間 | 約1.62kg |
- 「Ryzen 5 3500U」はビジネス用途であれば最高のコスパ
- 動画視聴やデュアルモニターも快適に行える
- ゲーム用途は厳しい
ノートPC搭載CPUの中でも、エントリーモデルである「Ryzen 5 3500U」は5万円台から販売されており、ビジネスやネットサーフィンを快適に行える性能があるので、欲張らなければ非常にコスパがよいCPUです。
ゲームを快適に行いたいのであれば向いているとはいえませんが、非常に軽いゲームであればできなくはありません。
今回紹介したモデルのページには、オプションや別モデルを選ぶことでスペックが上がるものもあるので、自身の予算と、用途に応じて選び比べてみてください。