今回の記事では、PコアとEコアで構成されるハイブリッド型CPU「Core i7 12700」について「どのくらいのことができるの?」「ハイブリッド型CPUって何?」といった疑問に答えます。
以下の項目を踏まえておすすめPCも合わせて紹介するので参考にしてください。
当サイトでは「Core i7 12700」が搭載されている価格帯の「予算20万円~25万円で買えるゲーミングPC」も紹介していますので、あわせてご覧ください。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
XA7C-R37 | Core i7-12700 | RTX 3070 | 16GB | 1TB SSD |
ZA7C-R38 | Core i7-12700K | RTX 3080 | 16GB | 1TB SSD |
XL7C-R36H | Core i7-12700H | RTX 3060 | 16GB | 512GB |
Core i7 12700の基本スペック
世代 | 第12世代 |
開発コード | Alder Lake |
コア数/スレッド数 | 12コア(Pコア8+Eコア4)/20スレッド(Pコア16+Eコア4) |
Pコア定格/最大クロック | 2.1GHz/4.8GHz |
Eコア定格/最大クロック | 1.6GHz/3.6GHz |
PBP | 65W |
MTP | 180W |
内蔵グラフィックス | インテルUHDグラフィックス770 |
PassMark CPU Markスコア | 31612 |
今までのCPUと比べて大きく違うところが「Pコア(Performanceコア)」と「Eコア(Efficientコア)」の存在です。
Performance(パフォーマンス)コア | 従来どおりメインとなる処理を優先するコア |
Efficient(エフィシエント)コア | 電力効率重視のため低周波数で動作し、Pコアの補助的な処理を担当する |
簡単に説明すると上記の表のように、複数コアの中にメインとサブ的な役割をする2種類のコアが存在するハイブリットCPUになっています。
ハイブリットCPUによるメリットは、負荷の高い処理を必要としない普段使いの処理はEコアが担当し、高負荷なゲームや動画処理はPコアとEコアで分担することにより、消費電力と負荷の軽減が可能になります。
また、これらのコアを最大限引き出すために、電力制限の解除が可能です。
しかし発熱と消費電力が非常に大きくなり、パーツの冷却性能やマザーボードの電気回路性能も必要になってくるわりに、大きな性能アップは見込めないので上級者の方以外は気にしなくても良いでしょう。
そのようなことをしなくても、通常利用でゲームや動画編集に困ることはない非常に高性能なCPUです。
Core i7 12700標準のクーラーは使える?
結論から言うと「通常利用であればギリギリ冷却性能は足ります」。
ですが、電力制限なしの通常利用で約80°あたりまで上がることもあると考えると、標準付属のクーラーはあまり冷却性能がいいとはいえません。
また、高温時にはファンが最大で回り続けるので音もうるさくなります。
ATXタイプの大型PCケースを使用しているのであれば、筆者の個人的なおすすめはサイドフロー型の大型CPUクーラーです。
サイドフロー型は横に熱を逃がすことにより、効率よくPCケースから温風を吐き出すことが可能なCPUクーラーなので、CPUをピンポイントに冷やすことに関して優秀な性能です。
価格もそこまで高くはないので、高性能CPUの寿命と性能を引き出すためにも、サイドフロー型のCPUファンを別途購入することをおすすめします。
Core i7 12700のベンチマーク
ここでは、実際にCore i7 12700の性能をベンチマークを使用して数値化し、どのような用途に優れているのかを解説します。
Core i7 12700のCPU Markスコア
PassMarkは、重い計算処理や動画処理など、CPUを様々な用途で使用した場合の総合的なスコアを評価しています。
基本的にこの値が高いほどCPUの性能が総合的に高いと思っていいです。
2019年にハイエンドモデルとして発売された12コア24スレッドの「Ryzen 9 3900X」と同等のスコアが出ていて、ハイブリッドCPUがいかに効率的に処理を行えるかがわかります。
2022年現在のミドルスペックCPUとして定番の「AMD Ryzen 7 5800X」には、約10%の差をつけ上回っており次世代の定番CPUとしての性能を確保しています。
Core i7 12700のCinebench R23(マルチコア)スコア
Cinebench(マルチコア)で計測するスコアの主な指標は「マルチコアの性能」です。
マルチコアとは、CPUの頭脳の数のことを指し、マルチコア処理能力とはそれぞれのコアの並列処理能力を指します。
このスコアが高いと、複数のアプリ動作などのマルチタスクに優れます。
マルチコア処理能力になると、12コア20スレッドのハイブリッドCPUの性能が本領を発揮します。
総合力では一歩及ばなかった「Ryzen 9 3900X」に約16%の差をつけ、2021年に発売されたIntel Core i9シリーズの「Intel Core i9 11900K」に約25%の差をつけています。
コア数の多さと効率の良いハイブリッドコアで、消費電力を抑えながらマルチタスクを行えるので、このスコアであればゲーム配信や動画編集にも柔軟に対応できるスコアです。
Core i7 12700KやAMD Ryzenシリーズとの比較
ここでは、「Core i7 12700」と同じくらいのスペックのCPUを比較し、どのようなところが優れ、劣っているのかを解説します。
Core i7 12700 vs Core i7 12700K
世代 | 第12世代 |
コア数/スレッド数 | 12コア(Pコア8+Eコア4)/20スレッド(Pコア16+Eコア4) |
Pコア定格/最大クロック | 2.1GHz/4.8GHz |
Eコア定格/最大クロック | 1.6GHz/3.6GHz |
PBP | 65W |
MTP | 180W |
CPU Mark | 31612 |
Cinebench R23 | 21568 |
世代 | 第12世代 |
コア数/スレッド数 | 12コア(Pコア8+Eコア4)/20スレッド(Pコア16+Eコア4) |
Pコア定格/最大クロック | 3.6GHz/4.9GHz |
Eコア定格/最大クロック | 2.7GHz/3.8GHz |
PBP | 125W |
MTP | 190W |
CPU Mark | 33955 |
Cinebench R23 | 22812 |
性能的にはほぼ同じと思っていいです。
それではどこが違うのかというと、Core i7 12700Kは無印12700に比べてオーバークロックが可能な点と消費電力とベースクロックが大きいところになります。
これによるメリットは、単純に処理能力が向上する点ですが、オーバークロックをせずともCore i7 12700Kは性能が高いです。
また、オーバークロックは動作保証の対象外であり、上級者向けの設定です。発熱も非常に大きくなるためCPUクーラーの性能も重要です。
そのため、よほどの理由がない限り価格も少し安くなる「Core i7 12700」のほうがコスパに優れています。
Core i7 12700 vs Ryzen 7 5800X
世代 | 第12世代 |
コア数/スレッド数 | 12コア(Pコア8+Eコア4)/20スレッド(Pコア16+Eコア4) |
動作周波数 | 2.1GHz/4.8GHz |
最大動作周波数 | 1.6GHz/3.6GHz |
TDP | 65W |
MTP | 180W |
CPU Mark | 31612 |
Cinebench R23 | 21568 |
世代 | 第4世代 |
コア数/スレッド数 | 8コア16スレッド |
動作周波数 | 3.8GHz |
最大動作周波数 | 4.7GHz |
TDP | 105W |
CPU Mark | 28387 |
Cinebench R23 | 15228 |
基本的なコア数が変わるため、性能は「Core i7 12700」が上回ります。
一方「Ryzen 7 5800X」は性能は「Core i7 12700」に劣りますが、ゲームや動画編集を快適に行えるラインのスコアは確保しており、価格が2022年7月時点では約1万円ほど「Ryzen 7 5800X」が安いです。
価格に比べて性能の高いコスパに優れたCPUを求めるのであれば「Core i7 12700」を。できるだけ価格を抑えて現在のミドルスペックで様子見という方は「Ryzen 7 5800X」が最適です。
Core i7 12700が向いている用途
「Core i7 12700」は結局どのような用途に向いているのか簡単にまとめるとこうなります。
用途 | 解説 | 評価 |
インターネット(動画閲覧・ショッピング) | YOUTUBE等で動画を観ながらの、ショッピング | |
ビジネス(Officeソフト・Web会議など) | Officeソフトでの資料作りをしながらの、Web会議 | |
ゲーム | 3Dグラフィックを駆使した流行りのゲーム | |
動画・画像編集 | フルHD・4Kでの動画や画像編集 またはゲームの動画配信 | |
3D制作 | 3D CADやBlenderなどを使用した3Dモデリング |
上記を踏まえて結論を言うと「どのような処理も高いレベルでこなせるCPU」です。
特にゲーム用途においては「RTX 3060Ti」あたりが理想的なゲーミングPC用のグラボで、ボトルネックにならない「Core i7 12700」はまさに理想的なCPUといえます。
しかしながら、これは2022年7月時点での話なので、今後アプリケーションの要求スペックが上がってきた場合はこの限りではありません。
今後も見据えて「RTX 3090」以上に見合うCPUを用意するのであれば、「Core i7 12700」よりも上位の「Intel Core i9 第12世代」も視野に入れましょう。
Core i7 12700シリーズ搭載おすすめPC
ここでは「Core i7-12700」シリーズを搭載したゲーミングPCを紹介します。
それぞれのモデルに見合ったグラボとCPUを搭載していてバランスがいいので、自身の予算や用途に合わせて選んでみてください。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
XA7C-R37 | Core i7-12700 | RTX 3070 | 16GB | 1TB SSD |
ZA7C-R38 | Core i7-12700K | RTX 3080 | 16GB | 1TB SSD |
XL7C-R36H | Core i7-12700H | RTX 3060 | 16GB | 512GB |
売れ筋上位の人気ゲーミングPCがほしい方は「ガレリア XA7C-R37」がおすすめ
グラフィック : RTX 3070
メモリ : 16GB SDRAM
ストレージ : 1TB NVMe SSD
ミドルハイスペックの「RTX 3070」を搭載し、ボトルネックがほぼ無い「Core i7-12700」を搭載したバランスの取れたモデルです。
「RTX 3070」のスペックを最大限引き出せるということは、ゲームにおいてかなりの高水準な環境であり、一例として『FF7 リメイク インターグレード』を4K 100fpsでプレイできます。
ドスパラでの人気No.1も納得のコスパに優れた高性能ゲーミングPCなので、「ガレリア XA7C-R37」は万人におすすめできるモデルです。
PCゲームを最高の環境でプレイしたい方は「ガレリア ZA7C-R38」
オーバークロック対応モデルで動作クロックも向上した「Core i7-12700K」に、「RTX 3080」を組み合わせたハイエンドモデルです。
ボトルネックもなく、「RTX 3080」の能力を最大限に引き出すことが可能で、一例として『モンスターハンターライズ サンブレイク』を4K 120fpsでプレイできます。
あらゆるゲームを4K解像度の高fpsでプレイ可能なので、ストリーマーや動画投稿者としての活動をする予定の方にも最適なモデルです。
高性能なゲーミングノートを求めている方は「ガレリア XL7C-R36H」がおすすめ
グラフィック : RTX 3060
メモリ : 16GB
ストレージ : 512GB NVMe SSD
モニター : 165Hz 15.6インチ
重量 : 2.15kg
バッテリー : 7.1 時間
「場所を取りたくない」「手軽に持ち運びたい」「子供にいたずらされるので普段は収納したい」という方はゲーミングノートPCも選択肢に入ってきます。
最新式のハイブリッドCPUをノートPCにも搭載した高性能モデルである「ガレリア XL7C-R36」は、今までのゲーミングノートPCよりも一歩先の処理能力を持っています。
要求スペックの問題でプレイできないゲームはありません。搭載されたフルHD165Hz対応モニターをフル活用してあらゆるゲームをプレイ可能です。
Core i7 12700比較まとめ
今回の記事では「Core i7-12700」の性能を解説し、同シリーズを搭載したおすすめPCを紹介しました。
以下おすすめモデルのおさらいと、まとめです。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
XA7C-R37 | Core i7-12700 | RTX 3070 | 16GB | 1TB SSD |
ZA7C-R38 | Core i7-12700K | RTX 3080 | 16GB | 1TB SSD |
XL7C-R36H | Core i7-12700H | RTX 3060 | 16GB | 512GB |
- 次世代の定番となるハイブリッドCPUで高性能
- 大きくスペックアップしている割に価格が安い
- 現状のミドルハイスペックまでのGPUとボトルネックがない
- 総じてコスパに優れるCPU
「Core i7-12700」の特徴は、なんといっても画期的なシステムであるハイブリッドCPUを採用している点です。
これにより消費電力や発熱を抑えつつ、ハイクラスCPUに迫る性能を確保することに成功しているだけではなく、価格も2022年7月時点で約5万円とコスパに優れます。
間違いなく次世代CPUとして普及するパワーを持ったハイブリッド世代のCPU「Core i7-12700」は、先を見据えて購入して損はないCPUでしょう。