今回の記事では、低価格のゲーミングノートPCなどに搭載されている「MX 350」というグラフィックボードは、どのくらいのスペックがあるのか?具体的にどんなことが可能なのか?といった疑問に、以下のポイントを踏まえて答えます。
また、当サイトでは初心者におすすめのノートパソコン一覧も紹介しているので、気になった方はあわせて参考にしてみてください。
商品名 | CPU | GPU | メモリ | ストレージ | サイズ |
---|---|---|---|---|---|
mouse K5-I7GM5BK-A | Core i7-12650H | MX 550 | 16GB | SSD 512GB | 15.6型 |
mouse K5-I7GM5BK-A | Core i7-12650H | MX 550 | 32GB | SSD 1TB | 15.6型 |
「MX350」性能・ベンチマーク比較
GPU | 3DMARKスコア | TGP(総消費電力) | 希望小売価格 |
---|---|---|---|
RTX 3080 Ti | 26189 | 350W | 1199ドル |
RTX 3070 | 21335 | 220W | 499ドル |
RTX 3060 Ti | 18654 | 200W | 399ドル |
RTX 3060 | 16596 | 170W | 329ドル |
RTX 3060 Laptop | 13812 | 60W | – |
RTX 3050 | 12864 | 130W | 249ドル |
GTX 1660 SUPER | 11056 | 125W | 229ドル |
RTX 3050 Ti Laptop | 8875 | 35W | – |
GTX 1650 | 7412 | 75W | 149ドル |
GTX 1650 Laptop | 6312 | 50W | – |
GTX 1050 Laptop | 3756 | 75W | – |
MX 350 | 2971 | 25W | – |
Iris Xe Graphics G7 (96EU) | 1856 | – | – |
Iris Xe Graphics G7 (80EU) | 1710 | – | – |
「MX350」はゲーミングPC入門者向けのノート用GPUです。
『Apex Legends』や『Fortnite』といった人気バトロワゲームではグラフィック設定を上げてしまうと30〜40fpsあたりしか出ませんが、設定を最低まで下げれば60fpsオーバーを狙えます。
また、PC対応のスマホゲーム『原神』などは、中設定くらいであれば60fpsを目指せる性能なので、スマホゲームをPCでやりたい方にはちょうどいいスペックです。
とはいえ、FPSゲームで安定した高フレームレートを求める、もしくは最適化がされていないゆえに負荷が高い『Escape from Tarkov』などをプレイしたい場合は「MX350」では力不足といえます。
そのためスペックのランク的には、負荷が軽めのゲームを最低画質まで設定を落とさずに遊べるくらいの、ローエンドグラフィックボードです。
「MX350」レビュー・評価
スペック的には「GTX 1650 Laptop」の少し下くらいの性能で、あまりゲーム向きとはいえない性能ですが、画質設定やfpsにこだわらなければ軽めのゲームでであれば快適に動作はします。
軽めのゲームと言えばスマホゲームも候補に上がります。その中でも負荷が高めの『原神』を例に出すと、最高設定では30~40fpsですが、中設定であれば50~60fpsくらいで安定します。
性能は低めですが消費電力も相応に低いので、発熱量が上位モデルに比べて低いため、あまりファンが大げさに回らず静音性を保ちやすいのはメリットといえます。
「MX350」は性能が低めと言っても各種内蔵GPUとは比較にならない性能なので、「軽くゲームができればいいから安く済ませたい」「スマホゲームをPCでやりたい」という方にピッタリです。
参考までに、以下に「MX350」と同じくらいのGPUと上位モデルのフレームレートを『原神』を基準に記載します。
「Geforce MX」シリーズ搭載のおすすめノートパソコン
現状「MX350」はBTOショップでは取り扱いが終了している傾向にあるため、ここでは上位互換である「MX550」を搭載したおすすめノートパソコンを紹介します。
商品名 | CPU | GPU | メモリ | ストレージ | サイズ |
---|---|---|---|---|---|
mouse K5-I7GM5BK-A | Core i7-12650H | MX 550 | 16GB | SSD 512GB | 15.6型 |
mouse K5-I7GM5BK-A | Core i7-12650H | MX 550 | 32GB | SSD 1TB | 15.6型 |
mouse K5【Core i7-12650H + MX550】
グラフィック :GeForce MX550
メモリ : 16GB
ストレージ : 512GB (NVMe)
モニター : 15.6インチ ノングレア
重量 : 約1.97kg
バッテリー駆動時間 : 約8時間
12世代のi7CPUである「Core i7-12650H」と、ノート用GPUの中ではそこそこのスペックがある「MX 550」を搭載したモデルです。
スペック的には『Apex Legends』を高設定でも60fps前後でプレイできるので、スマホゲームも高設定で60fpsを安定させることが可能です。
CPUの性能が高めで、ゲームにも耐えられるGPUを搭載しているため、画像や動画編集のスピードもオンボードのノートPCより格段に早くなっています。
mouse K5-I7GM5BK-A【Core i7-12650H + MX550 +メモリ32GB】
グラフィック :GeForce MX550
メモリ : 32GB
ストレージ : 1TB (NVMe)
モニター : 15.6インチ ノングレア
重量 : 約1.97kg
バッテリー駆動時間 : 約8時間
解像度が高い画像や動画を編集するのであれば、こちらのプレミアモデルがおすすめです。
物理メモリが32GB、メインストレージが1TB M.2 SSDなので、高解像度の画像・動画編集でモタつくことなく、データの読み込みが超高速かつ大量に保存可能です。
ゲーム性能的には先述した「mouse K5」と大差ありません。どちらかというとクリエイター向けのモデルなので、手軽に持ち運んで撮影した動画や画像投稿の作業をサクサクできるノートPCが欲しいという方におすすめです。
こちらの記事にて、当サイトが厳選したおすすめゲーミングPCを紹介しています。ぜひチェックしてください。
MX350と他GPUの比較
ここでは、「MX350」と近いGPUの性能を比較し、どのようなところが優れ、劣っているのかを解説します。
MX350 vs GTX 1650 Laptop
CUDAコア | 640基 |
VRAM | 2GB |
メモリ速度 | 7Gbps |
メモリバス幅 | 64bit |
TDP | 25W |
CUDAコア | 896基 |
VRAM | 4GB |
メモリ速度 | 8Gbps |
メモリバス幅 | 128bit |
TDP | 50W |
すべてのスペックにおいて「GTX 1650」が勝っているため、単純な性能差は「GTX 1650」の方が圧倒的に優秀です。
具体的な状況で例えると『原神』を最高設定でプレイした場合、「MX 350」は30~40fpsで動作しますが、「GTX 1650」は60fpsで動作します。
とはいえ、軽めのPCゲームやスマホゲームだけをプレイする場合、「GTX 1650」は若干のオーバースペックとも言えるでしょう。そこまで画質や高fpsを求めないライトユーザーにとっては「MX 350」の方が価格も安く適正GPUと言えます。
MX350 vs GTX 1050 Laptop
CUDAコア | 640基 |
VRAM | 2GB |
メモリ速度 | 7Gbps |
メモリバス幅 | 64bit |
TDP | 25W |
CUDAコア | 640基 |
VRAM | 4GB |
メモリ速度 | 7Gbps |
メモリバス幅 | 128bit |
TDP | 75W |
メモリ容量とメモリバス幅の大きさによって「GTX 1050 Laptop」の方が、fpsを安定させるという意味では優秀です。
しかし、TDPが「MX 350」の3倍ある点は見逃せません。発熱量と消費電力が高いとノートPCの場合、ファンが余計に回ってうるさくなる要因となるので、特に気にしたいポイントです。
性能的にそこまで大きな差はなく、低燃費で価格も安い「MX 350」の方が扱いやすいGPUと言えるでしょう。
MX350が向いている用途
用途 | 解説 | 評価 |
インターネット(動画閲覧) | YouTube等で動画視聴 | |
スマホゲーム | PC対応のスマートフォン向けゲーム | |
PCゲーム | 3Dグラフィックを駆使した流行りのゲーム | |
動画・画像編集 | フルHD・4Kでの動画や画像編集 | |
ストリーム配信 | YoutubeやTwitchなどのストリーミングサイトでゲームを配信 | |
3Dモデル制作 | 3D CADやBlenderなどを使用した3Dモデリング |
上記を踏まえて結論を述べると「MX 350」は「普段使い~軽めのスマホゲームくらいまでなら活躍できるGPU」です。
現在主流のノートPCに搭載されているCPUとはボトルネックにならないので、スペック通りの性能を発揮できるでしょう。
あらゆるPCゲームを快適に動作させるにはスペック不足のため、ゲーム向きとはいえませんが、『League of Legends』や『原神』などの軽めのゲームであれば普通にプレイできます。
動画や画像編集においては、どちらかというとCPU性能が重要になってくるので、フルHD環境であれば「MX 350」程度のグラボでも十分対応できます。