今回の記事ではRTX 4000シリーズのアッパーミドルクラスとして発売された「RTX 4070」について、PCゲーマーの目線でレビューしていきます。
上記の内容について具体的に紹介していくので、「RTX 4070」のベンチマークや他モデルとの比較。搭載PCや「RTX 4070」の各メーカーモデルも気になっている方は参考にしてください。
「RTX 4070」性能・ベンチマーク比較
GPU | 3DMARKスコア | TGP(総消費電力) | 希望小売価格 |
---|---|---|---|
RTX 4090 | 35626 | 450W | 1499ドル |
RTX 4080 | 28056 | 320W | 1199ドル |
RTX 4070 Ti | 22637 | 285W | 799ドル |
RTX 4070 | 17958 | 200W | 599 ドル |
RTX 3090 | 19930 | 350W | 1499ドル |
RTX 3080 Ti | 19573 | 350W | 1199ドル |
RTX 3080 | 17704 | 320W | 699ドル |
RTX 3070 Ti | 14825 | 290W | 599ドル |
RTX 3070 | 13748 | 220W | 499ドル |
RTX 3060 Ti | 11856 | 200W | 399ドル |
RTX 3060 | 8833 | 170W | 329ドル |
RTX 3050 | 6865 | 130W | 249ドル |
GTX 1660 Ti | 6821 | 120W | 279ドル |
GTX 1660 SUPER | 6103 | 125W | 229ドル |
GTX 1660 | 5771 | 120W | 219ドル |
GTX 1650 | 3620 | 75W | 149ドル |
GTX 1050 Ti | 2356 | 75W | 139ドル |
by:GAME GPU
RTX 4070は、4000シリーズの中ではアッパーミドルに位置し、前世代のRTX 3080くらいのスペックを持っています。
単純にRTX 3080と同スペックというだけでなく消費電力も抑えられているので、ワットパフォーマンスが優れているのも本モデルに限らずRTX 4000シリーズの特徴です。
超重量級ゲーム『Cyberpunk2077』などを4K60fpsでプレイするにはスペック不足なので、基本的にフルHD~WQHDあたりでの運用が最適のグラボでしょう。
「RTX 4070」の価格推移
「RTX 4070」の2023年4月発売当初から今までの価格推移をまとめました。
2023年4月に発売されたRTX 4070のスタート価格は99,800円となりました。
スペックが近いRTX 3080の最安値は2023年4月時点で93,800円と安いため、なかなか売れ行きが良くないようで、NVIDIAから値下げをするアナウンスがされました。
5月になってRTX 4070の最安値は9万円台を割るようになっていますが、RTX 4060Tiとの差別化を図るにはもう一声価格を下げてほしいというのが現状です。そのため徐々に安くなる可能性があると予想できます。
なるべく安く購入するのであれば、今は様子見をして待っておくのが良いでしょう。
「RTX 4070」レビュー・評価
4000シリーズの大きな特徴としてワットパフォーマンス(消費電力に対する性能の高さ)が優れている点が挙げられます。
RTX 4070も例に漏れず前シリーズの同ナンバリング(RTX 3070)より20W消費電力が下がり、スペックがRTX 3080並みに向上しています。
これにより電源の容量にも上位モデルに比べて余裕ができ、700Wあたりで十分に電力の供給が可能なので、PC全体のコスパが向上します。
とはいえ、フルHDがメインとなる場合、格安のRTX 3060Ti(約53,000円)でも十分なためコスパ面で勝負にはなりません。+40,000円を出してもWQHDまでしか満足に力を発揮できないところが微妙なところです。
WQHD以上の解像度は専用モニターが必要ということもあり、4Kまで解像度を上げて画質を追求するならRTX 4070Tiクラスでなければならないため、需要が限られてくるグラボです。
「RTX 4070」搭載ゲーミングPC
ここでは「RTX 4070」を搭載したゲーミングPCを紹介します。
人気PCはほとんどのBTOショップで在庫が切れがちです。
そんな中「ドスパラ」「マウスコンピューター」は在庫が豊富なので、在庫状況と価格を鑑みて、この2つのショップからコストパフォーマンスの良いPCを厳選して掲載します。
RTX 4070+Core i7 13700Fモデル
価格は約24万円とミドルハイスペックのゲーミングPCを購入するなら、25万円前後が良いという条件をクリアしているモデルです。
CPUはCore i7 13700FなのでRTX 4070とのボトルネックはありません。目指せる画質の最大までRTX 4070を酷使してもCPUに余裕はあるでしょう。
ただし、メモリが16GBなので動画配信をしながら最大画質でPCゲームをプレイする場合、メモリ不足となる場面が出てくる可能性が高いです。
構成変更や別途メモリを購入して32GB以上に増設することで、かなり快適に運用ができるでしょう。
RTX 4070 + Ryzen 7 7700
価格は約27万円ですが、搭載CPUはミドルスペックの中でも限りなくハイエンドに近い、Ryzen 77700Xを採用しています。
これにより、RTX 4070ともボトルネックはなく、並列処理に強いCPUなのでMMORPGの町中などでもfpsが低下しにくくなるでしょう。
メモリは最新式のDDR5を採用しており、DDR4とのパフォーマンス差は微々たるものですが、あらゆる場面で処理速度が向上しています。将来を見据えてDDR5対応のパーツ構成にしたいという方に特におすすめできます。
RTX 4070 + Core i9 13900KF
最新式の超ハイエンドCPU「Core i9 13900KF」を搭載したモデルです。
価格は約32万円と高めにはなりますが、あらゆる状況でCPUのパワー不足を感じることはないでしょう。メモリを32GBに増設することで動画配信、高画質設定でのゲームプレイなどストレス無く運用できます。
パソコンを構成するパーツで一番重要なCPUは、なるべく性能の高いものにしたほうがグラボやメモリの処理能力を一番引き出しやすいので、パーツ交換を頻繁にしないで長くパソコンを使いたい方はこういうCPUが高性能なモデルがおすすめです。
「RTX 4070」おすすめグラボ
「RTX 4070」のおすすめグラボを各メーカーのモデル別に紹介します。
メーカーごとのグラボで大きく違うところは「オーバークロックモデルかどうか」「出力端子の種類や端子の数」です。
自身が求める環境と照らし合わせて選んでみてください。
MSI
出力端子 | サイズ | オーバークロックの有無 |
---|---|---|
DisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1a×1 | 242×125×43mm | 無し |
筆者も愛用している大手PC周辺機器メーカーのMSIが生産するモデルです。
MSIの一番いいところは、価格が比較的安く「MSI Afterburner」というツールで、グラフィックボードのパワーを調節できるところです。
グラフィックボードの最大消費電力を70%くらいまでに抑えて運用しても、ベンチマークに出る差は平均すると10%あるかないかくらいの誤差レベルなので、なるべく電源に負担をかけないような運用をしやすいです。
ツール自体も見やすく操作しやすく、有名なツールなので詳しい操作説明をしているブログも多く扱いやすいのが魅力です。
ZOTAC
出力端子 | サイズ | オーバークロックの有無 |
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DisplayPort1.4a×3、HDMI2.1a×1 | 225.5×123.2×40.1mm | 有り |
ZOTACはグラフィックボードやマザーボードをメインに提供している香港の会社です。ちなみに香港はPC周辺機器の大手メーカーが非常に多い国でもあります。
本モデルの特徴は、別々で制御可能なファンと、たわみに強い剛性を持ったベースプレートです。
また、鮮やかなLEDやグラフィックボードの制御を専用アプリ「FIRESTORM」で行うことが可能で、低負荷時にファンを停止する静音機能もそこで設定できます。
見た目や静音性を重視する人におすすめのモデルです。
ASUS
出力端子 | サイズ | オーバークロックの有無 |
---|---|---|
DisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1×1 | 301×139×63mm(サポートステーが必須) | 有り |
台湾を本拠地とするPC周辺機器を製造する大手メーカーで、ゲーミングブランドの「TUF GAMINGシリーズ」は、耐久性とコスパに優れているのでかなり人気があります。
本モデルの一番大きな特徴は3連ファンを搭載しているので、冷却性能が非常に高いところです。
ただしサイズも非常に大きくなり搭載できるPCケースが限られてくるため、自作で購入する場合は大きいPCケースと、サポートステーも合わせて用意することをおすすめします。
特にサポートステーがないと、グラボのベースプレートが自重で歪んでしまう可能性が出てくるため、大きめのグラボを搭載するには必須のパーツです。
RTX 4070に関するよくある質問
- RTX 4070の消費電力は?
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RTX 4070の消費電力はアイドル時で約60W、高負荷時で約350Wです。
同クラスのスペックを持つRTX 3080は平均すると80~450Wなので、圧倒的にRTX 4070のワットパフォーマンス(消費電力あたりの性能)が高いことがわかります。
- RTX 4070の推奨電源は?
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RTX 4070の推奨電源は700Wです。
電源が不足するとトラブルやパフォーマンス低下の原因となるため、余裕を持った電源ユニットを使いましょう。
- RTX 4070の発売日はいつ?
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RTX 4070は2023年4月13日に発売開始しました。
- RTX 4070のサイズは?
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トリプルファンモデルの場合、おおよそ300×140×60mmです。
ダブルファンモデルの場合は、おおよそ240×130×40mmです。
特に注意したいのがトリプルファンモデルです。厚みが60mmあるので2.5スロット以上マザーボードを専有します。
そのため、サウンドカードやキャプチャーボードなどを接続しようとした場合、スロットが隠れて差し込めない可能性も出てくるので注意しましょう。
- RTX 4070と近い性能のスペック比較が知りたい
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上記の表で10,000を安定して超えたスコアが出ないと、それぞれの環境でフレームレートに不満が出る可能性が高いです。
RTX 4070はWQHDまでの環境なら余裕がありますが、4Kになると10,000を下回ってくるため、ゲームタイトルによっては厳しいでしょう。
安定して4Kを目指せるラインのグラボはRTX 4070Tiと言えます。
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