数あるキーボードの中でも「メカニカルキーボード」は人気が高く、多くの有名メーカーから多種多様な商品が発売されています。
もしキーボード選びに迷っているなら、「メカニカルキーボード」と「キー軸」について知っておきましょう。
この記事では
上記の項目について解説します。
また、当サイトでは「FPSにおすすめのゲーミングキーボード」も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
メカニカルキーボードとは何か
「メカニカルキーボード」とはキーボードの種類の一つで、他のキーボードと比べてカスタマイズ性や個人に合わせた設定が可能なことから、ゲーミングキーボードによく使われます。
ここではゲーミングキーボードの種類を細かく解説します。
キーボードの種類と特徴
キーボード | 特徴 | 打鍵感 | 打鍵音 | 価格 |
---|---|---|---|---|
メンブレン式 | シート状のスイッチをラバードームで押す | ゴムを押す感覚 | 静か | 2,000~5,000円前後 |
パンタグラフ式 | ラバードームをパンタグラフで支える | 軽い | 静か | 2,000~10,000円前後 |
メカニカル式 | キースイッチが独立している | キースイッチによって異なる | キースイッチによって異なる | 5,000円以上 |
静電容量無接点方式 | 静電気で入力を検知する | 比較的軽め | 静か | 15,000円以上 |
キーボードは、仕組みの違いによって4つのタイプに分類できます。
「メカニカルキーボード」はキーボードの種類の一つで、一つ一つのキースイッチが独立したタイプのキーボードを指します。
メンブレン式キーボード
メンブレン式は、ラバードームと呼ばれるゴム製の部品を押すことで、シート状のスイッチが反応する仕組みとなっています。デスクトップのパソコンの安価な付属キーボードとしてよく採用されています。
大量生産が可能なため、他の種類のキーボードと比べるとお手頃な価格で手に入ります。
ただし、ゴム製の部品を使用しているため劣化しやすく、長期間使用しているとキーが陥没するなどの問題が起きやすいです。打鍵感(タイプした際の感触)としては、ゴムの感触が強めです。
詳しくは「メンブレンキーボードとは何か」で解説しています。
パンタグラフ式キーボード
パンタグラフ式の基本構造はメンブレン式と変わりませんが、ラバードームを支える形でパンタグラフと呼ばれる部品を使用しているのが特徴です。
多くのノートパソコンで採用されているのがこの「パンタグラフ式」です。キーが薄く、タッチが軽いのが特徴です。
メカニカル式キーボード
メカニカル式は、メンブレン式やパンタグラフ式と異なり、スイッチが一つ一つ独立しています。
打鍵感や打鍵音(タイピング音)の異なるスイッチを付け替えることができるのが最大の特徴で、スイッチの種類は「青軸」や「赤軸」など、多岐にわたっており、ゲーミングキーボードとして人気です。
また、金属製のバネを使用しているため耐久性に優れ、一つ一つのキーは簡単に取り外せるのでお手入れも簡単です。
構造が複雑な分、他のキーボードと比べると値段が高いところが難点です。
静電容量無接点方式キーボード
静電容量無接点方式は、これまで紹介したキーボードと仕組みが大きく異なります。
従来のものは、スイッチを押して接点に触れることで電気が流れて入力を検知する仕組みでした。静電容量無接点方式は文字通り接点を持たず、静電気によって入力を検知します。
このシステムは他のどのキーボードよりも耐久性が高く、疲れにくいと言われています。
東プレ社の「REALFORCE」シリーズが有名で、価格は他の商品と比べるとかなり高めです。
メカニカルキーボードは自分好みの製品を選べる人におすすめ
メカニカルキーボードはキースイッチ(軸)によって製品特性が大きく変わってきます。
しっかりとした打鍵感がほしいのか、疲れにくいように軽いタイプで反応しくれるほうがいいのか、打鍵音はある程度あった方が好きなのか、職場で使うから静かな打鍵音がいいのかなど、キーボードに求めるものは人によって様々です。
PCでゲームをプレイする際に使用するキーボードとして最も多く使われているのがメカニカルキーボードです。
メカニカルキーボードはメンブレン式やパンタグラフ式と比べて耐久性が高く、静電容量無接点方式と比べて選択肢が豊富にあるからです。
自分にあったキーボードを探している方は、メカニカルキーボードをおすすめします。
メカニカルキーボードの軸の種類
メカニカルキーボードのキースイッチは「軸」と呼ばれ、その色によって特徴が大きく異なります。それぞれの軸は開発しているメーカーによって呼び方が異なるため、主要メーカーごとに軸の特徴を紹介していきます。
Cherry軸
軸 | 打鍵音 | 打鍵感 | 押下圧 | 高速入力 |
---|---|---|---|---|
赤軸 | 静か | 軽い | 軽い | ○ |
青軸 | 大きい | 強めのクリック感 | 重い | △ |
茶軸 | 若干の金属音 | 若干のクリック感 | 比較的重い | ○ |
黒軸 | 静か | 軽い | 比較的重い | △ |
ピンク軸 | 非常に静か | 軽い | 軽い | ○ |
銀軸 | 静か | 流れるような打鍵感 | 非常に軽い | ◎ |
キースイッチとして最も知られているのが、Cherry社の「CHERRY MX メカニカルスイッチ」です。
1983年に開発された歴史あるキースイッチで、「赤軸」や「青軸」は多くのキースイッチの基準ともされています。
中でもメジャーなラインナップを紹介していきます。
CHERRY MX RED(赤軸)
最もスタンダードな軸で、比較的静かな打鍵音と軽い打鍵感が特徴です。
CHERRY MX BLUE(青軸)
強い打鍵感とタイプのたびにカチカチと鳴る音が特徴です。
一部のゲーマーから絶大な支持を得ています。独特の打鍵感は、一度使うと病みつきになるという方も多いです。
一方タイプ音が大きいため、ゲームをしながら通話や配信をすると、タイプ音が聞こえてしまうという問題もあります。
CHERRY MX BROWN(茶軸)
赤軸と青軸の中間と言われているのが茶軸です。青軸ほどではないものの、強い打鍵感があり、打鍵音は青軸に比べて抑えられています。音はあまり出したくないが、しっかりとした打鍵感が欲しい人に人気があります。
CHERRY MX BLACK(黒軸)
黒軸は赤軸に似ているものの、押した後の戻りが早いため、高速入力タイプに向いています。ただし、「押下圧」と呼ばれる、キーを押す際に必要な力が大きいため、長時間使用すると疲れやすい傾向にあります。
CHERRY MX SILENT RED(ピンク軸)
赤軸の静音性をさらに高めたのがピンク軸です。職場や、同居人がいる家での仕様など、周囲への配慮が必要な場面に適しています。
CHERRY MX SPEED(銀軸)
最も高速タイプに適しているのが銀軸です。押下圧が低く、軽い入力で反応してくれるので高速でのタイピングをしたい方におすすめできる軸です。軽い入力で反応する分、慣れるまではタイプミスが増える可能性があります。
Razer
軸 | 打鍵音 | 打鍵感 | 押下圧 | 高速入力 |
---|---|---|---|---|
緑軸 | 大きい | 強いクリック感 | 重い | △ |
黄軸 | 静か | 流れるような打鍵感 | 非常に軽い | ◎ |
オレンジ軸 | 若干の金属音 | 若干のクリック感 | 比較的重い | ○ |
ゲーミングデバイスメーカーで知られるRazerは、独自のキースイッチの開発もしています。
2010年に発売された「Razer Black Widow」は、世界初のメカニカルゲーミングキーボードとして知られており、ゲーミングデバイスとしてメカニカルキーボードが広まるきっかけとなった製品です。
Cherry MXとの大きな違いとして、独自開発のキースイッチを使用した自社製品のゲーミングキーボードが販売されている点が挙げられます。
ゲーミングキーボードと聞いて多くの方が想像する、七色に光るキーボードのようなデザインと大きなロゴが特徴的です。
Razerグリーンスイッチ(緑軸)
基本的な性能は「CHERRY MX BLUE(青軸)」(強い打鍵感とタイプのたびにカチカチと鳴る音が特徴)に近いです。
違いとしては、青軸よりも浅い入力で反応するようになっている点が挙げられます。青軸のクリック感が好きだけど、もう少し軽い力で入力できるものを探している方に適している軸です。
Razerイエロースイッチ(黄軸)
銀軸(押下圧が低く、軽い入力で反応してくれる)に非常に近い性能を持っています。
少しキーを押し込めばすぐに反応するため、素早い判断や行動を求められるFPSなどのゲームに適しています。
Razerオレンジスイッチ(オレンジ軸)
性能では、茶軸に近い軸です。
確かな打鍵感と静音性を両立したい方に向いています。入力ミスが起きづらく、ある程度の反応の速さが求められるMMOなどのゲームに適しています。
Logicool
軸 | 打鍵音 | 打鍵感 | 押下圧 | 高速入力 |
---|---|---|---|---|
GX 青軸 | 大きい | しっかりとしたクリック感 | 重い | △ |
GX BROWN | 非常に静か | 軽い | 軽い | ○ |
GX RED | 静か | 軽い | 軽い | ○ |
ROMER-G タクタイル | 若干の金属音 | 若干のクリック感 | 比較的重い | ○ |
ROMER-G リニア | 静か | 流れるような打鍵感 | 非常に軽い | ◎ |
PC周辺機器のメーカーとして知られるLogicoolにも、独自開発のキースイッチがあります。
GX 青軸
基本性能は青軸とほとんど変わりません。わずかに押下圧が低いので、軽い入力でも反応しやすくなっています。Logicoolのキーボードが欲しくて青軸がいいという方におすすめです。
GX BROWN
静音性に優れていながら、打鍵感がしっかりとあるのが特徴です。ピンク軸に近い性能を持っています。
GX RED
性能は赤軸と非常に近いです。打鍵音を気にされる方におすすめの軸です。
ROMER-G タクタイル
茶軸に近い性能ですが、打鍵感が浅く、茶軸よりも高速タイプに向いています。
ROMER-G リニア
性能は比較的銀軸に近いです。非常に軽い入力で反応し、打鍵音も小さいです。高速のタイプができるため、MMOやアクションゲームに向いている軸と言えるでしょう。
おすすめのメカニカルキーボード
ここまで主要な軸を紹介してきましたが、実際に買うとなると種類が多すぎて選ぶのが難しいと思います。
そこで、ここからは筆者がおすすめするメカニカルキーボードを軸とあわせて紹介していきます。
静音性重視
まず、静音性に優れたキーボードを紹介します。静音性に優れた赤軸やピンク軸などを中心に紹介していきます
【ピンク軸】FILCO Majestouch 2
こちらはピンク軸のキーボードです。静音性に優れたピンク軸を使用し、比較的安価なところがポイントです。
お手頃な価格で静音性の高いキーボードがほしい方におすすめできます。
【赤軸】HyperX Alloy Origins Core RGB
非常に静音性に優れており、タイプ音が驚くほど静かです。値段も手頃なので、赤軸がほしい方にはぴったりです。
他にも「赤軸ゲーミングキーボードおすすめ」にて詳しく紹介しています。
バランス重視
【茶軸】Logicool G813
茶軸のゲーミングキーボードは打鍵感と静音性のバランスがちょうど良い構成になっており、「青軸だとうるさすぎるけど他のキーだと打鍵してる感じが弱い…」という方におすすめの軸です。
モデルも豊富でさまざまなモデルがあるので、バランスを重視したい方はチェックしてみてください。
他にも「茶軸ゲーミングキーボードおすすめ」記事にて詳しく解説しています。
打鍵感重視
次に、打鍵感がしっかりとしたキーボードを紹介します。
【青軸】Logicool G PRO X
青軸ならではのクリック感を味わえるだけでなく、耐久性に優れ、洗練されたデザインが特徴的なキーボードです。値段以上のパフォーマンスを持っています。
また、WASDだけ銀軸にしてよく使うキーだけ高速化する、といった改造が簡単にできるのも魅力です。
【青軸】e元素メカニカル式ゲーミングキーボード
他のメカニカルキーボードよりも圧倒的に安いのが最大のメリットです。5,000円で買えるメカニカルキーボードはなかなかありません。
軸は中国製ですが、青軸に近いクリック感を味わえるので、初めて買う方にはおすすめできます。
他にも「青軸ゲーミングキーボードおすすめ」記事にて詳しく紹介しています。
高速入力重視
高速でのタイピングに適しているキーボードを紹介します。
【銀軸】Corsair K65 RAPIDFIRE
銀軸を使用したキーボードです。また、キーキャップに滑り止め加工がされているので、高速入力でもタイプミスが起きにくくなっています。
カスタマイズ性重視
最後に、ゲーミングデバイスとしてカスタマイズ性に優れた機能を持つキーボードを紹介します。
【緑/黄/オレンジ軸】Razer BlackWidow V3 Tenkeyless JP
ゲーミングデバイスらしく、ライティングを細かく設定できます。
また、専用のソフトウェアをインストールすれば、キー割り当ての変更やマクロの設定も可能なため、MMOプレイヤーにおすすめのキーボードです。
軸は、Razer独自の緑、黄、オレンジ軸から選べます。
メカニカルキーボードとは何か まとめ
- 各メーカーが独自の軸(スイッチ)を作っている
- メカニカルキーボードは軸(スイッチ)次第でまったく違う触り心地になる
- メカニカルキーボードを買う時は「軸」に注目すべき
「どの軸が自分にあっているのか?」は完全に人の好みですので、それぞれの軸の特徴を理解できたら、あとはやりたいゲームに合わせて、「Prosettings.net」などで、「どのキーボードが人気なのか?」などを調査してみましょう。
人気商品をそのまま買うのもよし、自分が触ってみたいキーボードを買うのもよし、より快適にPCゲームを楽しむためにはメカニカルキーボードは必須アイテムです。
「FPS向けのゲーミングキーボード」という観点から、ジャンルに合わせてキーボードを選びたい人はそちらの記事を参考にしてください。