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オーバークロック(OC)とは何か?ゲームで効果を検証! メリット・デメリットも紹介

オーバークロック

この記事では

について解説していきます。

目次

オーバークロックとは何か?

オーバークロック(以下OC)とは、CPUやGPUの性能を限界まで引き出すことを指します。

定格以上のクロック周波数で動作させることで、PCのスペックを向上させることが目的です。

基本的に普段の作業で使うことはありませんが、手持ちのPCが古かったり、新しいゲームでパフォーマンスが出せない場合などに使うと効果があります。

オーバークロックのやり方

CPU
GPU
  • BIOS設定画面
  • メーカーOC用アプリ
  • メーカーOC用アプリ

オーバークロックの対象となるのは主にCPUとGPUの2種類です。

CPUの場合はBIOSの設定画面とメーカーが設定しているアプリを使用する方法の2種類があります。

GPUの場合はOC可能なモデルであればメーカーの公式アプリを利用してOCすることが可能です。

CPUのオーバークロック

CPUはオーバークロック可能なモデルが限られています。

intelの場合は末尾に「K」がつくモデルがOC可能なモデルです。

Ryzenは基本的にどのモデルでもOC可能です。

BIOS設定画面からの手動オーバークロックはどちらのメーカーでも可能ですが、倍率の計算を間違えてしまうとCPUに多大な負担がかかるので、OC用のアプリを利用することをおすすめします。

intelはエクストリーム・チューニング・ユーティリティーにて設定可能です(ダウンロードはこちら)。

RyzenはAMD Ryzen Masterユーティリティにて設定可能です(ダウンロードはこちら)。

どちらのCPUにもいえることですが、OCは本体の負担と引き換えに性能を上げる機能です。

メーカーとして設定アプリは出していますが、OCは保証の範囲外であるということを覚えておきましょう。

GPUのオーバークロック

GPUをOCするには専用のアプリが便利です。

MSI Afterburnerは使い方も簡単で、MSI製のGPUでなくても設定することが可能です(ダウンロードはこちら)。

CPUと同様にOCは保証の範囲外になりますので、実行する際はそれなりにリスクを背負うことになります。

オーバークロックの効果

OCを実行すると10%~15%ほど性能が上がると言われています。

なかなかそれを示すデータが見つからなかったので、PCの寿命を縮める覚悟で筆者所有PCにて以下の3つのテストを実施しました。

より多くの無料ベンチマークは以下の記事で紹介しています。

テスト環境

テストにあたっての基本的な条件もあわせてご紹介します。

  • CPU:intel Core i9-10900KF 3.70 GHz(OC時5.2 GHz)
  • GPU:RTX 3070 メモリ8G コアクロック1770MHz(OC時 2050Mhz)
  • メモリ 32GB
  • モニターWQHD 165Hz

以上の環境でテストを実施しましたので、同じOCでも環境によって結果は変わってくることをご了承ください。

またCPUとGPUそれぞれ片方ずつと両方OCした場合の違いも検討しています。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークテスト(オーバークロック)

オーバークロック効果

ベンチマークテストの中でも負荷が高く、GPUをほぼ100%使い切るほどの重さを誇るソフトで、今回のOCの効果の検証にはもってこいのベンチマークテストです。

OCの状態結果
通常時スコア8588
CPU OCスコア8657
GPU OCスコア9750
両方OCスコア9973

通常時とCPU・GPUともにOCした状態で比較すると約1.16倍のスペック向上が確認できました。

16%スコアアップしているので、巷でいわれている10%~15%ほど性能が向上するというのは嘘ではなさそうです。

注目すべきはCPUのみをOCしたときのスコアにあまり変動が見られなかったという点。

ゲームにおけるグラフィック性能の向上にはGPUの方が有効であるといえそうです。

ただし注意点としてGPUのみのOCでは挙動が不安定になり、ベンチマークテストが2回ほど落ちました。

Forza Horizon 4でのオーバークロックテスト

オーバークロック効果

Forza Horizon 4は無料ソフトではありませんが、ゲーム内にベンチマークテストモードがあります。

グラフィックが綺麗なことで有名なレーシングゲームでOCの効果を検証しました。

ゲームでは画質が同じであればPCの性能が高いほどFPSが高くなります。

画質設定はデフォルトの中から高画質を選択しています。

今回は平均FPSで比較してみます。

OCの状態平均FPS値
通常時CPU 285.3 GPU 187.7
CPU OCCPU 285.7 GPU 187.2
GPU OCCPU 285.6 GPU 199.4
両方OCCPU 289.4 GPU 197.3

筆者モニターのリフレッシュレートが165Hzであるため画面上のFPSとは解離がありますが、GPUのFPS値では通常とOC時で約5%の向上が見られました。

このテストでもCPUよりもGPUのOCの方が影響が大きいといえます。

ただ、FF15のベンチマーク同様GPUのみのOCでフリーズしてしまいました。

どうやらGPUのOCを最大限引き出すにはCPUも同時にOCした方が安定しそうです。

STEEPでのオーバークロックテスト

オーバークロック効果

STEEPはウィンタースポーツゲームの金字塔として話題になったゲームですが、このゲームにもベンチマークテストモードがあります。

リアルタイムで大自然の中を駆け巡る描写を高FPSでプレイするには高い性能が要求されます。

こちらもデフォルト設定の中の高画質を選択し、FPSにどれぐらいの変化があるか確認しました。

OCの状態平均FPS値
通常時144
CPU OC144
GPU OC153
両方OC155

先のテスト同様にこちらでもGPUのOCの効果がはっきり出ています。通常時に比べて約8%FPS値が向上しています。

FF15のベンチマークほどではありませんが、こちらのソフトでもOCの恩恵に預かることができました。

STEEPではGPUのみのOCでフリーズはしませんでしたが、CPU・GPU同時にOCしたものが最もFPSが高く出ています。

オーバークロックの効果まとめ

  • CPUのOCのみではゲームにおいてほぼ効果がない
  • GPUのOCの効果が大きいが、CPUもOCしないと挙動が安定しない傾向にある
  • OCによる性能向上は約5%~15%

今回はゲームに主眼を置いてテストを実施しましたが、OCはGPUの方が影響が大きいことがわかりました。

ただしGPUのみをOCするとフリーズなどの不具合が発生したので、OCするのであればCPUも同時にすることをおすすめします。

オーバークロックのメリット・デメリット

メリット
デメリット
  • 性能が約5%~15%ほど向上する
  • ゲームにおいてFPSまたは画質を上げることができる
  • CPUの温度が100度近くなる
  • ファンの回転速度が上がりうるさい
  • 挙動が不安定になる
  • 保証が切れる

【メリット】性能が向上する

今回のテストでは5%~15%ほど性能が向上することが確認できました。

手持ちのPCが古いため、性能をあと一歩上げたいという場合はOCする価値はあるかもしれません。

【メリット】ゲームにおいてFPSや画質を上げることができる

性能向上に付随して、ゲームプレイでのFPSや画質の向上が見込めます。

同じ画質であればFPSが上がり、FPSをあまり必要としない場合は画質を向上させることができます。

ゲームによっては要求スペックが高いものもあるので、そのようなゲームをプレイするときはOCは有効な手段といえます。

【デメリット】CPUの温度が100度近くになる

  • CPUの適正温度は80度
  • CPUは100度を超えそうになると強制終了する

CPUの適正温度は基本的には80度以下です。

PCには100度を超えそうになるとPC保護のために強制的に電源を落とす機能が内蔵されています。

これがいわゆる熱暴走と呼ばれているもので、筆者もテスト中にOCの設定を上げすぎて何度か強制終了しました。

熱暴走したからといって滅多に壊れたりはしませんが、そのときに保存されていなかったものはデータとして残りません。

いつ強制終了するかわからない状況というのは精神的にもあまりいいとはいえないでしょう。

【デメリット】ファンの回転速度が上がってうるさい

CPUもGPUも定格以上のクロック周波数で稼働しようとすると流れる電流により高熱を発するようになります。

その熱を冷却するためにファンが高速回転するのですが、ものによってはなかなかの騒音となります。

ドライヤーレベルとまでは言わなくても、高速で回るファンはかなりの音量となりますので、気になる人はOCは控えた方がよいかもしれません。

ちなみにうるさいからと言ってファンコントロールなどで回転数を下げると、あっという間に熱暴走するということも注意しましょう。

【デメリット】挙動が不安定になる

  • GPUのみをOCするとフリーズすることがある。
  • CPUも同時にOCした方が安定
  • 不安定な状況でのゲームプレイやPC作業は望ましくない

今回のテストではGPUのみをOCするとフリーズしてしまうことが何度もありました。

CPUを同時にOCしたときは安定していたのですが、それが筆者のPC環境によるものなのか、一般的にそのような傾向があるのかはまだはっきりしていません。

しかし通常時に比べ負担がかかりやすいのは間違いなさそうです。

また短時間のベンチマークテストでは安定していても長時間のプレイでも安定するかも不明確です。

いつ強制終了してしまうかわからない状況というのはユーザーにとって好ましい環境ではないでしょう。

あと一歩で好成績を残せそうという状況で、突然のフリーズが起きれば言葉には表せないほどの絶望を味わうことになります。

そしてそのリスクと引き換えに得られる性能はFPSが10上がるかどうかというところが現状です。

【デメリット】保証が切れる

現在はどこでPCを購入しても新品であれば多かれ少なかれ何らかの保証がついています。

メーカーやショップが規定する仕様の範囲内であれば一定期間内の故障に関して、無償での修理をしてくれるという内容になりますが、OCを作動させた場合はこの保証が適用されません。

残念ながら筆者のPCも今回のテストのために保証が切れる結果になってしまったわけですが、通常使用でPCの調子が悪くなることはままあることです。

万が一故障した際にメーカー保証が受けられなければ有償での修理を依頼することになります。

オーバークロックのメリット・デメリットまとめ

  • オーバークロックはメリットよりもデメリットの方が多い
  • データ消失などのリスクと引き換えに得られるものはわずかなFPS向上
  • 保証がなくなるという点が金銭的にもリスクになる

正直に言って、FPS値が少し上がったりベンチマークテストの結果がよくなる程度のメリットでは、データ消失や保証切れのデメリットを上回るとは言い難いでしょう。

たかだか10FPS上昇のために安定性を犠牲にするという考え方はあまりおすすめできません。

10FPSの違いはほぼ体感できませんが、強制終了は誰でもわかるほどのデメリットがあります。

よほどのことがなければOCはせず、PCをより高スペックなものに買い替えることをおすすめします。

オーバークロックをおすすめできる人

  • そろそろPCを買い換える予定の人
  • 保証が切れても有償で直す覚悟のある人
  • PCの限界を引き出したい人

OCのメリット・デメリットを紹介してきましたが、もうすぐPCを買い換える予定の人は積極的にOCをしてもよいでしょう。

保証もとっくに切れているので、壊れたところで多少買い換えのサイクルは早くなるだけという人は限界性能に挑戦し、新たな境地を覗いてみるのも悪くはありません。

壊れても有償で修理ができるブルジョワの方も遠慮なくOC全開でPCを酷使できる人といえます。

またせっかく買ったPCにもう一段上の性能が備えられているとなれば使ってみたくなるのも人情です。

封印された能力を解き放つということは、古今東西どこでもロマンあふれる行為であることは否定できません。

オーバークロックの効果まとめ

  • OCで得られるメリットは少ない
  • 体感できない性能向上よりも安定性を重視すべき
  • PC買い換え間近の人は実施する価値はある

以上、筆者のPCを犠牲にして実際のOCの効果を検証してきました。

結果としては体感できるほどの性能向上は見られず、どちらかというとリスクが増える行為であるというのが今回の結論です。

ただし筆者のPC環境下においてのことなので、PCを近々買い換える予定の人は一度限界に挑戦するのもありではないかと思います。

限界性能を引き出すという行為自体にカタルシスを感じて液体窒素で冷却しながらOCをする猛者もいますが、そこはロマンに留めておいた方がPCと長く付き合えるといえそうです。

こちらの記事にて、当サイトが厳選したおすすめゲーミングPCを紹介しています。ぜひチェックしてください。

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