このページではモバイルノートパソコンなどでよく使われる「eMMC」とは何か?について解説します。
「eMMCとSSDの違い」や、eMMC搭載PCの「メリット・デメリット」を具体的にわかりやすく比較・紹介します。
eMMCとは?
eMMC(embedded Multi Media Card)はメモリーカードの一種です。
一般的にメモリーカードと言えばデジタルカメラやPCに抜き差し可能な「SDカード」を想像される方が多いかもしれません。
eMMCはSDカードとは異なるメモリーカードの規格の一つで、PCやスマートフォンに内蔵された(埋め込まれた)メモリーカードのことを指します。
パーツとしての役割は一般のメモリーカードと同じで、データの読み書きが中心です。
コンパクトな電化製品では「省電力性」や「パーツの小型化」「コストダウン」が要求されるため、PCを例に取ると高コストである「SSD」や「HDD」の代用品としてデータ記憶用ストレージに利用されています。
eMMCとSSDとの違い 一目でわかる比較解説
eMMC | SSD | |
---|---|---|
価格(容量当たり) | かなり高価 | 高価 |
容量 | 64GBが通常(最大256GB) | 256GB~2TB以上が通常 |
大きさ | 小さい | やや小さい |
消費電力 | 非常に少ない | 少ない |
寿命 | 長い | 長い |
データ転送速度 | 400MB/秒程度 | 500MB/秒~ |
現在流通しているPCの多くはSSDを載せた製品ですが、1つのパーツとしてSSDは高性能な分eMMCと比較して高価なため、低価格なモバイルノートPCにはなかなか利用されづらい現状があります。
価格
eMMCはSSDと比較して容量当たりの単価では高くなる傾向があります。
省スペース・重さ・省電力性を考慮した結果値段が高くなっているので、大容量を載せられるSSDとは単純比較はできないのでご注意ください。
また、「容量当たり」ではなく通常のSSDとeMMCを比較するとeMMCのほうがはるかに安いので、容量をあまり使わない人にとってはeMMCのほうがコストパフォーマンスは高いです。
容量
eMMCは容量自体は非常に小さく、64GBが主流で最大でも256GBしかありません。
対してSSDは16GB~2TBを超える物まで様々ですが、使い道に合わせて最適なサイズを選べる点に利点があります。
大きさ
eMMCは大きくても3c㎡程度ですが、SSDは容量にもよりますがその数倍の大きさがあり、携帯性は断然eMMCに軍配が上がります。
消費電力
eMMCの消費電力は非常に少なく、気になるほどでは無いですが、SSDは高性能(NVMe、M.2)のものになると消費電力や発熱が無視できないレベルになります。
PCの稼働時間を考慮するならeMMCのほうが経済的だと言えます。
寿命
eMMCとSSDはともにHDDとは違い磁気ヘッドや円盤などの物理的な故障要因はないため、一般の使用頻度であれば故障を気にする必要はありません。
データ転送速度
データ転送速度はeMMCは大体400MB/秒の制限があるのに対し、SSDはさらに高速な読み書きが可能です。
読み書きの速度を第一に考えるならSSDのほうがはるかに上です。
「eMMC搭載PC」と「SSD搭載PC」どちらを選ぶべき?
PCの購入・利用を検討している際に速度や快適さを第一に優先するのであれば、「eMMC搭載PC」よりも「SSD搭載PC」を選択するべきでしょう。
「外出時に使用するサブ機として」「子どもの学習用(プログラミング等)として安価なPCを購入したい」と考えているのであれば、SSD搭載PCはオーバースペックとなる可能性が高いです。
最近は『Apex Legends』『Fortnite』『Minecraft』といった子どもにも人気のPCゲームが数多く登場しています。
ハイスペックなPCを買い与えてしまうと、ゲームに没頭してしまう可能性もあるでしょう。
本来の目的である「サブ機」であったり、「学習用」に必要十分なスペックの「eMMC搭載PC」を買い与えるほうが親御さんとしては安心できますし、できることとできないことがはっきりしているので管理はしやすいです。
知っておきたい「eMMC搭載PC」のデメリット
保存容量は64GBで十分?不足する場合は?
利用方法にもよりますが、eMMC自体はストレージとしては容量が少なく、データを長期保存しておくのには向いていません。
もし保存容量を増やしたい場合は外付けのSSDやHDDを取り付け、容量の大きいデータはそちらに保存するのが良いでしょう。
eMMC自体の取り外し・交換は極めて困難
eMMCはPCのマザーボードに直接はんだ付けされており、取り外すことは困難です。
一部の機種ではSSDを増設することが可能ですが、あまりおすすめしません。
そこまでするのであればPCごと買い換えてしまうほうが安価で手間もかからず、賢明な選択であると言えます。
eMMC搭載PCは拡張性が少ない
eMMCを搭載したPCは一般的にモバイルノートPCが多く、携帯性に優れるかわりに拡張性を犠牲にしていることが多いです。
性能に不満が出てきたときは、パーツを変えるよりは思い切って買い替えるのが良いでしょう。
エントリーPCとして最初の一台にeMMC搭載PCを買えば、その後必ず自分に必要なPCのスペックを見極める力がつくはずです。
おすすめのeMMC搭載ノートPCを紹介!
サブ機としての持ち運び用ノートPCや、子供向け学習用PCを検討の方に、特に人気のあるeMMC搭載PCをご紹介します。
どの商品も軽量かつ使い勝手が良く、シンプルなつくりとなっています。
THIRDWAVE VF-AD4
グラフィック : インテル
UHDグラフィックス600
メモリ : 4GB LPDDR4
ストレージ : 64GB eMMC