次世代ゲーム機の目玉機能として「リアルタイム・レイトレーシング」話題になっていますが、どんなものかイマイチわからないという方もいると思います。
実際に体験していない方からは「レイトレーシングなんていらない」なんて声も。
この記事では
について初心者でも理解できるよう、丁寧に紹介します。
当サイトでは「初心者におすすめのゲーミングPC」も紹介しているので、気になった方はチェックしてみてください。
レイトレーシングとは何か
レイトレーシングとは、ものすごく簡単に言うと「光や影を現実世界と同様に表現する」機能です。
映画などではプリレンダリングといって予めシーンが決まっているものに対し光や影の描写を計算を行うのに対し、プレイヤーやキャラクターが動き回るビデオゲームでは即座に光や影の位置を反映・処理する能力が求められます。
これを可能にしたのが、「リアルタイムレイトレーシング」という技術で、NVIDIAのRTXシリーズから可能になった機能です。
このリアルタイムレイトレーシングによって、まるでその場にいるかのようなリアルな描写が可能となり、プレイヤーにより深い臨場感をもたらすことができるようになりました。
レイトレーシングの効果とメリット・デメリット
レイトレーシングの有無でゲームがどれぐらい変化するのかは、やはり実際に映像で見てみるのが一番です。
NVIDIA公式より『バトルフィールド5』を使って解説している動画をご紹介します。
路面電車の窓に反射する建物や火炎放射器を放つ際の地面への映り込みに注目してください。
2:40秒辺りからレイトレーシングをオフにしているので、よりわかりやすいと思います。
レイトレーシングの有無でかなり描写に違いがあるのは明白です。
DLSSとレイトレーシングは相性抜群
レイトレーシングは描写をリアルにする反面、フレームレートを下げてしまうというデメリットもあります。
そこで、DLSSの出番となります。
DLSSとはNVIDIAの開発したシステムの一つで、映像をよりキレイに描写したり、グラフィックボードの負担を下げたりことができるものです。
レイトレーシングにより発生するメモリ消費をDLSSで減少させることができるので、フレームレートを維持しながらにリアルな映像を楽しむことができます。
こちらも百聞は一見にしかず。
NVIDIA公式の比較動画で確認してみましょう。
『コールオブデューティー ウォーゾーン』ではDLSSをオンにすることで、40~50fpsほど上がっていることが確認できます。
レイトレーシング対応グラボ
現在発売されているNVIDIAのグラフィックボードでレイトレーシングに対応しているのは『RTXシリーズ』です。
AMDの「Radeon RX 6000シリーズ」もレイトレーシングに対応していますが、DLSSが使用可能なのはNVIDIAだけです。
RTXシリーズの対応グラボは以下の通りです(他に「RTX 2060」「RTX 2070」「RTX 2080」などもありますが、流通量が少ない+レイトレーシングを使うには性能不足なためここでは省略します)。
RTX対応グラフィックボード(メモリ) | 性能の目安 |
---|---|
GeForce RTX 4090(24GB) | RTX 3090よりも大幅に性能UPの最強GPU 4K+レイトレーシング+最高画質60 FPS WQHD最高画質120 FPS FHD最高画質120 FPS |
GeForce RTX 3090(24GB) | 前世代最強GPU(2021年) 4K最高画質50 FPS WQHD最高画質90 FPS FHD最高画質120 FPS |
GeForce RTX 3080Ti(12GB) | 3090ほどではないが、ほぼ最強 4Kで最高画質45 FPS WQHD最高画質85 FPS FHD最高画質115 FPS |
GeForce RTX 3080(10GB) | ハイエンドGPU 4K最高画質40 FPS WQHD最高画質80 FPS FHD最高画質110 FPS |
GeForce RTX 3070Ti(8GB) | アッパーミドルレンジ 4K最高画質35 FPS WQHD最高画質65 FPS FHD最高画質95 FPS |
GeForce RTX 3070(8GB) | 前世代20シリーズのトップクラスと同等 4K最高画質30 FPS WQHD最高画質60 FPS FHD最高画質90 FPS |
GeForce RTX 3060Ti(8GB) | ミドルレンジ 4K最高画質25 FPS WQHD最高画質50 FPS FHD最高画質80 FPS |
GeForce RTX 3060(12GB) | ミドルレンジ 4K最高画質20 FPS WQHD最高画質40 FPS FHD最高画質60 FPS |
以上、簡単にレイトレーシング対応GPUの性能目安をまとめました。
この記事では各種GPUが搭載されているおすすめのゲーミングPCを紹介しているので、実際にスペックや価格を確認してみてください。
※基本的に画質とFPSは反比例の関係で、画質を下げればFPSが向上します。
※フレームレートは『サイバーパンク2077』のベンチマークテストを基準に記載しています。
レイトレーシング対応ゲーム一覧
レイトレーシングに対応しているゲームを一部ご紹介いたします。
当記事では、レイトレーシングに対応したゲームが遊べるおすすめゲーミングPCも紹介しているのでぜひチェックしてみてください。
『サイバーパンク2077』
『サイバーパンク2077』は2020年の超大型タイトルで、オープンワールドRPGのゲームです。
圧倒的な描写で要求スペックも高くなりますが、夜の繁華街や海での光の反射は圧倒的に美しく、レイトレーシングの恩恵を余すことなく体感できるゲームです。
『サイバーパンク2077』のおすすめゲーミングPCは以下の記事で紹介しています。「4Kレイトレーシング」から「フルHD60fs」まで、さまざまな設定に対応したモデルを揃えています。
『コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー』
FPS(ファースト・パーソン・シューティング)ゲームのビッグタイトルもレイトレーシング対応です。
FPSは自分の目線でゲームが進むので、移動によって影の向きが変わったり、暗い場面での炎の光、爆発がガラスに反射したりするなど、レイトレーシングの効果は抜群です。
『ウォッチドッグス レギオン』
レイトレーシング対応によりロンドンの街並みが実写のようにリアルなものとなっています。
街中のネオンが水たまりに反射する様子は本当にゲームなのかと疑いたくなるほどの再現度。
こちらもレイトレーシングのオンオフで明確に違いが出るタイトルです。
『CONTROL(コントロール)』
主人公が超能力を使って戦闘を繰り広げる三人称視点のアクション・アドベンチャーです。
レイトレーシングにより、施設内の床、ガラスに映り込むプレイヤー、爆発の表現がさらにリッチなものとなっています。
レイトレーシング必要GPU・おすすめゲーミングPC
「レイトレーシング対応グラボ」と「レイトレーシング対応ゲーム」を見て、「結局どのGPUを搭載したゲーミングPCを買えばいいんだ?」と思う人もいるでしょう。
お金に糸目をつけないのであれば「RTX 4090」を購入すれば間違いないのですが、環境によってはオーバースペックになることもあります。
参考までにAAA級の重量ゲームをレイトレーシング付きでプレイする場合
- 4KならRTX 4070 Ti以上
- WQHDならRTX 3060 Ti or RTX 4060 Ti以上
- フルHDならRTX 3060以上
であれば、それなりに快適にプレイすることができるでしょう。
RTX 4060搭載ゲーミングPC
現時点で流通数も多く格安でレイトレーシングを体験できるのは「RTX4060」です。
「レイトレーシングを最高画質で遊ぶ」などの画質重視のプレイヤーには「RTX4060」は少し力不足ですが、それでも設定次第では100fps出しながら遊ぶことができます。
格安でレイトレーシングを体験してみたい方におすすめのモデルです。
RTX 4070 Ti搭載ゲーミングPC
グラフィック : RTX 4070 Ti SUPER
メモリ : 32GB
ストレージ : 1TB Gen4 SSD
「RTX4070 Ti」は一番コスパ良くレイトレーシングを本格的に体験することができるGPUです。
ただし、「最高画質+レイトレーシング+高フレームレート」を目指すこともできますが、フレームレートにもっと余裕をもたせるなら、それ以上の性能の「RTX4080」や「RTX4090」が必要となってきます。
それでも「RTX4070 Ti」はレイトレーシングだけでなくほとんどのゲームを最高画質+240fps前後で動かすことができる性能を持っているため、ゲームプレイにおいては非の打ち所がないGPUです。
RTX 4080搭載ゲーミングPC
グラフィック : RTX 4080
メモリ : 16GB SDRAM
ストレージ : 1TB NVMe SSD
余すことなくレイトレーシングを堪能できるのがハイエンドGPUの「RTX3080」です。
「RTX4080」は非常に高性能で、どんなに重いゲームでも最高画質+レイトレーシングで快適に動かすことができます。
グラフィック重視派のゲーマーなら4Kモニターと一緒に楽しむことをおすすめします。
RTX 4090搭載ゲーミングPC
グラフィック : RTX 4090
メモリ : 32GB
ストレージ : 1TB Gen4 NVMe SSD/2TB HDD
電源 : 1200W 静音電源 (80PLUS PLATINUM)
「RTX4090」はゲームプレイにおいてできないことは何もないレベルの最強GPUです。
最高品質+レイトレーシング+4K画質、などの最高の画質を求めるガチ勢におすすめです。
その分高価格というはネックですが、価格相応の性能をしているため「RTX3090」があればここ5,6年はGPUを買い替える必要はないでしょう。
こちらの記事にて、当サイトが厳選したおすすめゲーミングPCを紹介しています。ぜひチェックしてください。