小型ゲーミングPCはコンパクトさが売りのPCで、スペックやケースの形状も様々なものがあります。
以上のポイントを踏まえて、これから小型ゲーミングPCはどういう人に向いているか、どんな性能を持ったモデルがあるのか解説します。
また、当サイトでは「初心者におすすめのゲーミングPC」も詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
厳選したおすすめ小型ゲーミングPCがすぐ知りたい方は以下のリストからどうぞ!
モデル名 | 価格帯 | こんな人におすすめ! |
---|---|---|
Slim Lightning AH5 | 10万円~ | 格安でコンパクトなPCが欲しい方 |
G-Tune HL-B-3060Ti | 20万円~ | 安定したミドルハイスペックで小型ゲーミングPCが欲しい方 持ち運びが便利なケースが欲しい方 |
AG-AR8B55IGA6I-IA1 | 28万円前後 | 見た目がカラフルなPCケースが良い方 カスタマイズで色々パーツを選びたい方 |
小型ゲーミングPCのサイズ
PCケースは大きく分けて以下の5種類に分けられます。
・フルタワー
・ミドルタワー
・ミニタワー
・スリム
・キューブ
それぞれの大きさはどれぐらいなのかというと、実は明確な定義があるわけではありません。
各BTOショップの基準を照らし合わせると、おおむね以下の範囲になります。
ケース | 幅(mm) | 奥行き(mm) | 高さ(mm) |
---|---|---|---|
フルタワー | 250~300 | 500~650 | 500~650 |
ミドルタワー | 200~250 | 400~550 | 400~550 |
ミニタワー | 150~200 | 350~450 | 350~450 |
スリム | 75~145 | 220~400 | 200~400 |
キューブ | 250~500 | 250~500 | 250~500 |
この中で一般的に「小型PC」に該当するのは「スリム」「キューブ」になります。
小型ゲーミングPCのメリット・デメリット
小型ゲーミングPCには小さいことによるメリットとデメリットが存在します。
この項目ではそれぞれのポイントを解説していきます。
メリット
小型ゲーミングPCは、省スペースなことが大きな特徴でメリットでもあります。
これから小型ゲーミングPCを購入する予定の方は、これらのメリットに用途が合っているか確認してみてください。
省スペースで設置できる
普通のゲーミングPCだと、基本的にはかなり大型なので、設置スペースを大幅に取られてしまいます。
小型ゲーミングPCの場合はサイズもコンパクトなので、ゲーミングPCが欲しいけど設置スペースで困っている人や、部屋の景観を損ねたくないので見えないところに設置したい人におすすめです。
価格を安くできる
小型ゲーミングPCに搭載できるパーツは、小さいスペースに向いた小型のものが搭載されるので、その分価格も少し安めになっていることが多いです。
そのため、大きいPCのように拡張性を求めていない方は価格が抑えられた小型ゲーミングPCは選択肢に入ります。
持ち運びがしやすい
本体のサイズが小さいので、設置スペースを変更したい場合や、引っ越しの際にパソコンを移動させる際にも、簡単に持ち運びができます。
ノートパソコンほど軽くはありませんが、外出先で使用するケースがある場合にも電源を供給できる場所では使用できるので便利です。
デメリット
逆に小型ゲーミングPCは小さいゆえにデメリットも存在します。
購入する際のデメリットも踏まえて、自身の環境と用途にあっているかどうか確認してください。
拡張性が低い
小型ゲーミングPCはどうしてもPCケースが小さいので、大きいマザーボードを取り付けることが難しいです。
小さいマザーボードに大きなグラフィックボードを取り付けると、マザーボードにある拡張スロットが隠れてしまい、サウンドカードなどを搭載することが難しくなります。
そのためPCをアップグレードしようとしても他のパーツと干渉するので、拡張性は低いです。
排熱性が低い
小さいPCケースにパーツを敷き詰めているため、どうしても内部に風が通る余裕がなく、排熱性能はミドルタワーなどに比べると落ちてしまいます。
排熱低下の原因となるホコリもこまめに掃除する必要があるので、その手間もかかります。
しかしBTOショップによっては排熱性に優れたPCケースが用意されているものもあるので、購入の際にはよくチェックする必要があります。
小型ゲーミングPC自体の取り扱いが少ない
BTOショップによっては、小型ゲーミングPCがあまり取り扱われておらず、ラインナップ自体も少ないことが多々あります。
拡張性も低いため、小型ゲーミングPCをBTOショップで購入する際は、後でパーツを追加しようとして搭載できないということにならないように、しっかりと事前にカスタマイズをして購入することをおすすめします。
小型ゲーミングPCの選び方
小型ゲーミングPCを購入する際に、PCパーツをどういう基準で選べばよいか解説します。
スペックで選ぶ
小型ゲーミングPCは大きいケースのゲーミングPCよりも性能が低めなことが多いですが、それでも普通のPCよりもかなり高性能です。
特にCPUとグラフィックボードの組み合わせで、大きく値段と性能が変わるので商品を選ぶ際は重点的にチェックしましょう。
「初心者におすすめのゲーミングPC」では、エントリー~ハイクラスPCで具体的にどんなゲームが快適にプレイできるか詳しく解説していますので、気になる方はあわせて御覧ください。
CPU
CPUメーカー | ビジネス向け | 動画編集・ゲーム向け | クリエイター向け |
---|---|---|---|
intel | Core i3 第10世代以上 | Core i5 第10世代以上 | Core i9 第11世代以上 |
AMD | Ryzen 3 3000番台以上 | Ryzen 5 3000番台以上 | Ryzen 7 5000番台以上 |
ビジネス向け~クリエイター向けCPUで、最低限このくらいは欲しいおおよそのスペックを表にするとこうなります。
ゲーム用途であれば「動画編集・ゲーム向け」のCPUがあれば安心してゲームプレイが可能でしょう。
「クリエイター向け」の項目は、ゲームをしながらの動画配信、高解像度のイラスト作成、重めの動画編集などが快適に行える性能のCPUです。
GPU
プレイするゲームで大きく左右されますが、クラスの差によるGPUが発揮できる性能はおおまかにまとめると下記の表となります。
エントリークラス | ミドルクラス | ハイクラス | |
---|---|---|---|
GPU | GTX 1650~1660SUPER | RTX 3050Ti~3060Ti | RTX 3070~3090 |
発揮できる性能の目安 | フルHD60~144fps | フルHD144~240fps | フルHD240fps~4K+60fps |
特にゲーム用途で重要視されるのが「GPU(グラフィックボード)」です。
小型ゲーミングPCに搭載できるグラフィックボードは、電源の容量や排熱の問題があるため、ハイスペックな「RTX 3090」クラスのGPUは搭載が難しいです。
重めのゲームで「4K解像度で144fpsを出したい」などのものすごくGPUに負荷がかかる環境は望めませんが、「フルHDで144~240fps」くらいであれば「RTX 3060Ti」搭載モデルを選べば可能です。
画質設定次第で問題なくゲームプレイができれば良いという方は、エントリークラスの「GTX 1650搭載モデル」あたりで充分プレイ可能です。
電源
主にグラフィックボードの電力消費が大きいので、それに合わせた電源が必要になります。
BTOショップでの購入であれば、搭載パーツに見合った電源を搭載しているので問題はありません。
おおまかな基準でいうとエントリーモデルであれば「500W」。ミドルクラスであれば「600W」。ハイスペッククラスであれば「700W」以上あれば足ります。
また、電源にはグレードが存在します。
スタンダード | ブロンズ | シルバー | ゴールド | プラチナ | チタン | |
---|---|---|---|---|---|---|
マーク | ||||||
電力変換効率 | 80% | 82~85% | 85~88% | 87~90% | 89~92% | 90~94% |
この認証は電源の電力変換効率の性能を表す指標です。スタンダード→チタンというグレード順に変換効率が良く(=省電力になる)ということです。
耐久性の指標ではありません。誤解されることがあるので注意してください。
メモリ
通常のビジネス利用 | ゲーム・高度なビジネスソフト | 本格的なクリエイター作業 | |
---|---|---|---|
必要なメモリ(GB) | 8GB | 16GB | 32GB |
メモリはOSの動作とブラウザ起動するだけでメモリを3~4GB使用することが多いため。最低でも8GB必要です。
最新ゲームや高解像度のイラストや動画編集ツールなど、負荷が上がるにつれて必要なメモリは変わっていくので、用途に応じてメモリは多めに積んでおくのが良いです。
小型ゲーミングPCはクリエイター作業など極端な用途に使用しない場合を除き、メモリ16GBが一番無難です。
ストレージ
ストレージの容量は用途によりますが「500GBのSSD」か「250GBのSSD+500GB以上のHDD」が最低限あるのが理想です。
250GBのストレージしかないPCを選ぶ場合は、画像や動画などを大量に扱うとすぐにストレージがいっぱいになり、PCのパフォーマンスが低下する要因となるためオプションで容量をアップしたほうが無難です。
また、SSDの中でも「M.2 SSD」はデータ転送速度や読み込み速度が早いので、ゲームのロード短縮やPCの起動速度の向上につながるのでおすすめです。
USB外付けタイプのSSD/HDDもあるので、後々手軽にストレージを追加したい方はこちらで対応するのも手です。
デザインで選ぶ
小型ゲーミングPCの中にはスリム型、ミニタワー型だけでなく、キューブ型など特殊な形も存在するので、一般的なゲーミングPCのケースと比較するとインテリアとしても機能するデザインがあります。
カラフルな色をしたものや、LEDで光るものもあり見た目を重視する方にうれしいラインナップが揃っています。
部屋のインテリアと合わせてケースのデザインで小型ゲーミングPCを選ぶのも一つの手です。
小型ゲーミングPCのおすすめモデル
これから小型ゲーミングPCを購入する方へ向けて「どのくらいのゲームなら動くのか」「どんな特徴があるのか」をポイントに、おすすめモデルを紹介します。
自分の用途にあった小型ゲーミングPCを一覧から選んでみてください!
モデル名 | 価格帯 | こんな人におすすめ! |
---|---|---|
Slim Lightning AH5 | 10万円~ | 格安でコンパクトなPCが欲しい方 |
G-Tune HL-B-3060Ti | 20万円~ | 安定したミドルハイスペックで小型ゲーミングPCが欲しい方 持ち運びが便利なケースが欲しい方 |
AG-AR8B55IGA6I-IA1 | 28万円前後 | 見た目がカラフルなPCケースが良い方 カスタマイズで色々パーツを選びたい方 |
【格安モデル】Slim Lightning AH5
グラフィック : GTX 1650
メモリ : 16GB
ストレージ : 500GB SSD(NVMe)
ゲームをプレイする上で最低限必要なスペックで構成された格安PCです。
『VALORANT』のような非常に軽いゲームであれば144fpsを出すことが可能です。
しかし、『バトルフィールド2042』や『サイバーパンク2077』のような重いゲームは設定を下げても60fpsを下回り、快適なプレイができるとは言えません。
『Apex Legends』くらいまでであれば設定を調整すれば100fps前後でプレイできるでしょう。
流行っているFPSゲームをプレイできれば満足という方であれば、価格も安いのでこのモデルがおすすめです。
【持ち運びやすい】G-Tune HL-B-3060Ti
グラフィック : RTX 3060Ti
メモリ : 16GB
ストレージ : 512GB M.2 SSD(NVMe)
取っ手がついているので持ち運びやすいコンパクトなキューブ型ゲーミングPCです。
性能もミドルハイスペックと言えるパーツ構成で、『Apex Legends』くらいの重さのゲームであればフルHD144~240fpsでプレイ可能です。
ケースもコンパクトながら排熱を考慮したエアフローが構築されているので、大きいパーツを搭載していても問題ありません。
小型ながら、大きいPCと大差ない高性能なスペックを求めている方にとてもおすすめできるPCです。
【コスパ重視】G-GEAR mini GI5A-A204/T
グラフィック : GTX 1650
メモリ : 16GB
ストレージ : 500GB M.2 SSD(NVMe)
性能的には「Slim Lightning AH5」とほぼ同等ですが、CPUがワンランク上のものが搭載されているので、動画編集などの作業も楽にこなせます。
PCケースも小型ながら排熱効率を考えた作りになっており、ゲーミングパーツの発熱に耐えられる設計になっています。
また、GPUに対してCPUの性能が高いので、カスタマイズでアップグレードすれば「RTX 3060」とほぼ同等の性能を持った「Radeon RX 6600XT」を搭載してもCPUがボトルネックになることなく、ミドルクラスPCへとランクアップします。
ミドルクラスのPCはGPUの項目の表の通り、フルHDで高fpsのプレイが可能なので予算が15万円ほどあるのであればアップグレードをおすすめします!
【水冷式】G-GEAR alpha GS5A-A211T2/WH
グラフィック : RTX 3060
メモリ : 16GB
ストレージ : 1TB M.2 SSD(NVMe)
縦長のケースが特徴のコンパクトなミドルスペックPCです。
このクラスの性能であれば『Apex Legends』程度の重さのゲームであれば、フルHD144~240fpsでのプレイが可能です。
ストレージも1TB SSDを搭載しているので、データ量の多いゲームをインストールする余裕があります。
縦長のケースの側面は大きな吸気口となっており、メッシュ加工が施されているのでホコリの流入を防ぎ、ホコリはメッシュ部分にたまるのでそこをサッと拭けば掃除が完了するためメンテナンス性も高いです。
また、CPUクーラーに水冷式クーラーを採用しているので、効率的にCPUの熱を逃がすことが可能となっています。
水冷式クーラーについて詳しく知りたい方は「おすすめ水冷式ゲーミングPCまとめ」で解説しているので、気になる方は合わせてご覧になってみてください。
【おしゃれ】AG-AR8B55IGA6I-IA1
グラフィック : RTX 3060Ti
メモリ : 16GB
ストレージ : 2TB M.2 SSD(NVMe)
女性にも嬉しいカラフルなケースを採用したキューブ型ゲーミングPCです。
パーツ構成も高水準のもので揃えており、『サイバーパンク2077』などの重めのゲームでもウルトラ設定+レイトレーシングONで問題なく60fpsを超えることが可能です。
パーツ構成も細かく変更することが可能で、自身が求める性能に合わせてカスタマイズすれば構成によっては価格を抑えることが可能です。
個人的にカスタマイズするとすれば、標準搭載のSSDは高性能過ぎて「Ryzen 7 5700G」と噛み合っていないので、SSDをランクダウンして「Western Digital 」の2TBに変更するのが価格も少し安くなるので良いと思います。
小型ゲーミングPCのよくある質問
- スペースが狭いので、小型PCの電源だけ外に出して使用することは可能ですか?
-
電源ケーブルを延長すれば無理やりつなぐことは可能ですが、おすすめしません。
ケースを開放した状態で使用することになるため、ホコリの流入を防ぐことができなくなり、何かの拍子で水分がマザーボードに付着するとショートする危険性もあります。
- 小型PCでハイスペックPCは組めないですか?
-
自作で工夫するのであれば可能ですが、基本的には無理です。
主な理由は高性能なパーツを搭載すると、それに伴って必要な電源の容量と発熱が大きくなるからです。
小型PCは小さいので大きいファンを搭載することが難しく、数も多くはつけられないので排熱性能には限界があります。
- パーツ交換は簡単にできるのでしょうか?
-
ケース内が狭いため難しいですが、適切な手順を踏めば可能です。
しかしそのPCケースに入るか、他のパーツと干渉しないか確認する必要があるので初心者にはおすすめできません。
「PCパーツ交換は初心者にも簡単にできる?」で詳しく説明しているので合わせてご覧になってください。
- 後から大きいケースにPC交換することは可能ですか?
-
可能ですが、一からPCを組み立てるレベルの作業が必要になるので、PC初心者の方の場合はおすすめできません。
どうしても交換したい場合はBTOショップにサポートがあるので、そちらに頼むのが良いでしょう。
- とにかく価格が安いゲーミングPCがほしいのですが
-
ゲーミングPCは10万円前後ぐらいが最低ラインで、それ以下になると現行のPCゲームを遊ぶにはややスペック不足となります。
「安いゲーミングPCまとめ」では格安でPCゲームを楽しめるモデルをまとめているので、参考にしてみてください。
小型ゲーミングPCのまとめ
モデル名 | 価格帯 | こんな人におすすめ! |
---|---|---|
Slim Lightning AH5 | 10万円~ | 格安でコンパクトなPCが欲しい方 |
G-Tune HL-B-3060Ti | 20万円~ | 安定したミドルハイスペックで小型ゲーミングPCが欲しい方 持ち運びが便利なケースが欲しい方 |
AG-AR8B55IGA6I-IA1 | 28万円前後 | 見た目がカラフルなPCケースが良い方 カスタマイズで色々パーツを選びたい方 |
- 小型ゲーミングPCは設置スペースが限られている方におすすめ
- デザイン性が高いものもあるので個性が出せる
- 超ハイスペックPCを求めないのであれば、充分ゲーミングPCとしての性能がある
- 拡張性は低いので、購入時にしっかりスペックを確認してカスタムする必要がある部分は変更する
小型と言ってもゲーミングPCというジャンルに属するので、高性能な小型ゲーミングPCはいっぱいあります。
拡張性は低いですが、自身に必要なスペックを把握して購入すればあとからパーツ交換する手間もないので、選び方を参考にして今回紹介したモデルの中からPCを選んでみてください。
ミドルサイズ以上のゲーミングPCも「初心者におすすめのゲーミングPC」で詳しく解説して紹介しているので、合わせてご覧になってみてください。