「Core i5 12400」はミドルスペックの人気モデル「 Core i5 11400」の後継モデルで、世代が変わったことによりコア数は変わらないものの、基本構造が向上したことにより正当進化を果たしたCPUです。
今回の記事では、以下の項目を踏まえて「Core i5 12400」を解説し、搭載おすすめPCも合わせて紹介するので参考にしてください。
また、当サイトでは「Core i5 12400」が搭載されている価格帯の「予算15万~20万で買えるゲーミングPC」も紹介していますので、あわせてご覧ください。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
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Magnate IM | Core i5-12400 | インテル UHD730 | 8GB | 500GB SSD |
RM5C-G60S | Core i5-12400 | GTX 1660 SUPER | 16GB | 500GB SSD |
RM5C-R36 | Core i5-12400 | GTX 1660 SUPER | 16GB | 500GB SSD |
Core i5 12400の基本スペックレビュー
世代 | 第12世代 |
発売日 | 2022年1月5日 |
開発コード | Alder Lake |
ソケット形状 | LGA1700 |
コア数/スレッド数 | 8コア16スレッド |
動作クロック/最大動作クロック | 2.5GHz/4.4GHz |
二次キャッシュ | 7.5MB |
三次キャッシュ | 18MB |
PBP | 65W |
MTP | 117W |
内蔵グラフィックス | インテルUHDグラフィックス730 |
PassMark CPU Markスコア | 19384 |
価格 | 29,980円(2022年10月現在) |
2022年1月5日に、Alder Lake世代における安価なCPUとして「Core i5 12400」は発売されました。今回紹介するモデルは内蔵GPUを搭載したモデルになります。
ミドルスペック帯で人気だった「Core i5-11400」の後継モデルという位置づけであり、同じく6コア12スレッドながら性能は純粋にワンランクアップしており、価格も大きく変わらないため人気の高いCPUです。
性能的にも大きく負荷の高い作業(4K最高画質でのゲームプレイを動画配信など)をしないのであれば、充分快適な動作が可能でPCゲーム用途で困ることはありません。
AMD製品とのライバルは「Ryzen 5 5600X」になり、当初は価格差で「Core i5 12400」が圧倒的に優勢でしたが、2022年10月現在では価格差があまり無くなっています。
後述しますが「Ryzen 5 5600X」との性能差はそこまで大きくなく、若干「Core i5 12400」のほうが上回る程度となり、好みで選んでも問題ないといえるでしょう。
「Core i5 12400」の末尾にある「k」はオーバークロック対応モデルという意味を持ちます。
「f」は内蔵GPUが無いモデルです。
intel製CPU標準のクーラーは使える?
結論から言うと問題なく使用できますが、性能がいいとは言えません。
「Core i5 12400」はミドルクラスとはいえ、高負荷な状況では発熱が高くなるCPUなので、夏場でのリテールクーラーは80℃を超えることも頻繁にあります。
また、CPUを冷やすためにファンの回転数が非常に高くなるので音もうるさくなります。
ATXタイプの大型PCケースを使用しているのであれば、筆者の個人的なおすすめは実際に使用してもいるサイドフロー型「DeepCool AK400」です。
大型のヒートシンクと120mmの大口径ファンで冷やすため、効率よくPCケースから温風を吐き出すことが可能で、サイドパネルを外した状態で使用しても音が聞こえないくらい静音性も抜群です。
価格もそこまで高くはないので、CPUの寿命と性能を引き出すためにも、サイドフロー型のCPUファンを別途購入することをおすすめします。
Core i5 12400のベンチマーク
ここでは、実際にCore i5 12400の性能をベンチマークを使用して数値化し、どのような用途に優れているのかを解説します。
Core i5 12400のCPU Markスコア
PassMarkは、重い計算処理や動画処理など、CPUを様々な用途で使用した場合の総合的なスコアを評価しています。
基本的にこの値が高いほどCPUの性能が総合的に高いと思っていいです。
CPUの総合的な性能はちょうど「AMD Ryzen 5 5600X」と「AMD Ryzen 5 3600X」の中間くらいの性能となりますが、ライバルとなる「AMD Ryzen 5 5600X」とはほぼ変わりません。
2022年になって「Core i5 12400」が登場したことにより、ミドルスペックCPUのアベレージは「Core i5 12400」や「AMD Ryzen 5 5600X」クラスのCPUへ引き上がった言えるでしょう。
Core i5 12400のCinebench R23(マルチコア)スコア
Cinebench(マルチコア)で計測するスコアの主な指標は「マルチコアの性能」です。
マルチコアとは、CPUの頭脳の数のことを指し、マルチコア処理能力とはそれぞれのコアの並列処理能力を指します。
このスコアが高いと、複数のアプリ動作などのマルチタスクに優れます。
マルチコア処理能力になると、総合力では一歩及ばなかった「AMD Ryzen 5 5600X」を上回り、intel製のチップセットの電源管理能力で若干の差が生まれているようです。
上位モデルと比べると大きく差は開きますが、このスコアでも充分に動画エンコードなどの作業は問題なくこなせますし、人気タイトルのゲームも快適に動作するレベルです。
3万円前後のコスパ重視CPUは競争率が高いですが、その中でも上位のマルチ性能スコアを叩き出せる「Core i5 12400」は、特にコスパに優れているCPUと言えます。
Core i5 12400やAMD Ryzenシリーズとの比較
ここでは、「Core i5 12400」と同じくらいのスペックのCPUを比較し、どのようなところが優れ、劣っているのかを解説します。
Core i5 12400 vs Core i5 11400
世代 | 第12世代 |
コア数/スレッド数 | 6コア/12スレッド |
動作クロック/最大動作クロック | 2.5GHz/4.4GHz |
二次キャッシュ | 7.5MB |
三次キャッシュ | 18MB |
PBP | 65W |
MTP | 117W |
CPU Mark | 19384 |
Cinebench R23 | 12454 |
価格(2022年10月現在) | 29,800円 |
世代 | 第11世代 |
コア数/スレッド数 | 6コア/12スレッド |
動作クロック/最大動作クロック | 2.6GHz/4.4GHz |
キャッシュ容量 | 12MB |
TDP | 65W |
CPU Mark | 16838 |
Cinebench R23 | 10155 |
価格(2022年10月現在) | 25,000円 |
同じ6コア12スレッドの前世代CPU「Core i5 11400」と比較してみました。
単純に世代が変わったことによりプロセスルールが14nmから10nmに向上し、トランジスタの配置量が増加しスペックアップしているのがわかります。
同じコア数で動作クロックも同じだけど性能に差が出ているのは、やはり14nmからから10nmに変わっている所が大きいです。
価格面でも2022年10月現在あまり大きな差はないため、「Core i5 12400」は次世代のミドルスペックCPUと言えます。
Core i5 12400 vs Ryzen 5 5600X
世代 | 第12世代 |
コア数/スレッド数 | 6コア/12スレッド |
動作クロック/最大動作クロック | 2.5GHz/4.4GHz |
二次キャッシュ | 7.5MB |
三次キャッシュ | 18MB |
PBP | 65W |
MTP | 117W |
CPU Mark | 19384 |
Cinebench R23 | 12454 |
価格(2022年10月現在) | 29,800円 |
世代 | 第4世代 |
コア数/スレッド数 | 6コア/12スレッド |
動作周波数 | 3.7GHz |
最大動作周波数 | 4.6GHz |
二次キャッシュ | 3MB |
三次キャッシュ | 32MB |
TDP | 65W |
CPU Mark | 21726 |
Cinebench R23 | 10988 |
価格(2022年10月現在) | 24,000円 |
基本的なコア数は変わりませんが、intelのプロセスルールが優秀な部分がマルチコア性能に出ています。
動作クロックやキャッシュ容量の違いで、汎用性は「Ryzen 5 5600X」が少し上回りますが、10nmのプロセスルールでもintelの方がより密度高くトランジスタを配置できるため、「Core i5 12400」の方がマルチコア性能に優れます。
2022年10月現在では約6,000円の差があるので、この価格と性能差をどう見るかと、intelとAMDというメーカーの好みで購入する判断をすることになるでしょう。
intel製のCPUはソケット形状が頻繁に変わるため「Core i5 12400」より上位モデルに載せ替える場合は、マザーボードごと買い替えなければなりません。
対してAMDの長寿CPUソケットであるAM4は「Ryzen 9 5950」まで対応するので、将来性を見るのであればコスパは「Ryzen 5 5600X」のが優れています。
とはいえこれは自作PCユーザーに限った話なので、intel製のPCを購入する上で「Core i5 12400」搭載型のPCはコスパに優れているという事実は変わりません。
「Core i5 12400」が向いている用途
「Core i5 12400」は結局どのような用途に向いているのか簡単にまとめるとこうなります。
用途 | 解説 | 評価 |
インターネット(動画閲覧・ショッピング) | YOUTUBE等で動画を観ながらの、ショッピング | |
ビジネス(Officeソフト・Web会議など) | Officeソフトでの資料作りをしながらの、Web会議 | |
ゲーム | 3Dグラフィックを駆使した流行りのゲーム | |
動画・画像編集 | フルHD・4Kでの動画や画像編集 またはゲームの動画配信 | |
3D制作 | 3D CADやBlenderなどを使用した3Dモデリング |
上記を踏まえて結論を言うと「ハードな使い方をしなければ快適に動作するCPU」です。
特にゲーム用途においては「RTX 3060」あたりが理想的なグラボで、15万円あたりの価格帯でゲーミングPCを組む際には筆頭に上がるミドルスペックCPUの定番と言えます。
4Kでゲームをプレイしながらの動画配信や、ポスターサイズのイラスト作成といったハードな用途にはパワー不足となりますが、極端な使い方をしないのであれば非常にサクサクと動作するCPUです。
Core i5 12400シリーズ搭載おすすめゲーミングPC
ここでは「Core i5 12400」を搭載したゲーミングPCをドスパラから紹介します。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
Magnate IM | Core i5-12400 | インテル UHD730 | 8GB | 500GB SSD |
RM5C-G60S | Core i5-12400 | GTX 1660 SUPER | 16GB | 500GB SSD |
RM5C-R36 | Core i5-12400 | GTX 1660 SUPER | 16GB | 500GB SSD |
ビジネス用途・動画や画像編集におすすめ「Magnate IM」
グラフィック : UHD Graphics 630
メモリ : 8GB DDR4 SDRAM
ストレージ : 500GB NVMe SSD
You Tubeなどの動画配信サイトへ向けての編集作業や、ビジネス用途であればこのモデルがおすすめです。
グラフィックボードを搭載していないので、PCゲームをプレイするのには向いていませんが、サーバーPCとしての運用やプレイ動画の録画用にサブPCとして使用するのであれば充分にスペックは満たします。
グラフィックボードのパワーを必要としない作業はサクサクとこなせ9万円弱と価格も安いので、サブPCやビジネス用PCとして活躍します。
ゲーミングPCデビュー機としておすすめ「RM5C-G60S」
グラフィック : GTX 1660 SUPER
メモリ : 16GB SDRAM
ストレージ : 500GB NVMe SSD
ゲーミングPCのエントリーモデルといえばこのモデルです。
あらゆるPCゲームをフルHDで60fps以上の環境で遊べるスペックを持ち、価格も約16万とゲーミングPCの中では価格が安いのでまさに入門用ゲーミングPCと言えます。
オプションでデフォルトの500GBから2TB以上のSSDに変更もできるので、たくさんのPCゲームをインストールする予定の方は変更しておきましょう。
安定したゲーミングPC「RM5C-R36」
グラフィック : RTX 3060
メモリ : 16GB SDRAM
ストレージ : 500GB NVMe SSD
4KやWQHD解像度でのゲームプレイもしてみたいという方には、このモデルがおすすめです。
『サイバーパンク2077』のような超重量級のゲームでない限りは、4KやWQHDで60fps以上の環境でプレイできるタイトルが多くあります。
搭載されているグラボ「RTX 3060」の価格も落ち着いてきたこともあって、エントリークラスの「RM5C-G60S」に約2万円も足せばスペックアップできるのは今が買い時と言えるゲーミングPCです。
Core i5 12400レビュー・比較まとめ
今回の記事では「Core i7-13700k」の性能を解説し、搭載おすすめPCを紹介しました。
以下おすすめモデルのおさらいと、まとめです。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
Magnate IM | Core i5-12400 | インテル UHD730 | 8GB | 500GB SSD |
RM5C-G60S | Core i5-12400 | GTX 1660 SUPER | 16GB | 500GB SSD |
RM5C-R36 | Core i5-12400 | GTX 1660 SUPER | 16GB | 500GB SSD |
- ミドルスペックCPUとして定番と言えるコスパの良さ
- 前世代の「Core i5 11400」より正当進化した次世代CPU
- コスパモデルのゲーミングPCに搭載されるCPU筆頭
- AMD製CPUに比べるとソケット形状の点で将来性は劣る
「Core i5 12400」の大きな特徴は「コスパの良さ」でしょう。
PCゲームをプレイする上で困ることはない性能を持ち、それでいて購入しやすい価格帯ということで、ミドルスペックCPUの候補としてまず挙がるモデルです。
ライバルのAMD製CPUと比べると、ソケット形状という点で将来CPUのみ載せ替える場合はコスパが悪いといえますが、ゲーミングPCを5年位で丸ごと買い換えるスタイルのユーザーにはさほどデメリットとはならないでしょう。
ミドルスペックのコスパ重視モデルを常に狙っているのであれば、「Core i5 12400」は非常に優れているCPUです。