Intelの最新CPUとして、ハイスペックの証である「i9」から新モデル「Core i9 13900k」が発売されました。
今回の記事では、以下の項目を踏まえて「Core i9 13900k」はどのくらいの性能のCPUなのかを食わすく解説します。
また、搭載おすすめPCも紹介するので参考にしてください。
当サイトでは「Core i9-13900K」が搭載されている価格帯の「予算30万~50万で買えるゲーミングPC」も紹介していますので、あわせてご覧ください。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
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ZA9C-R37T | Core i9-13900KF | RTX 3070 Ti | 16GB | 1TB SSD |
UA9C-R47T | Core i9-13900KF | RTX 4070 Ti | 16GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
UA9C-R48 | Core i9-13900KF | RTX 4080 | 32GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
Core i9-13900Kの基本スペック
世代 | 第13世代 |
開発コード | Raptor Lake |
コア数/スレッド数 | 24コア(Pコア12+Eコア12)/32スレッド(Pコア24+Eコア12) |
Pコア定格/最大クロック | 3.0GHz/5.4GHz |
Eコア定格/最大クロック | 2.2GHz/4.3GHz |
最大動作周波数 | 5.8GHz |
二次キャッシュ | 32MB |
三次キャッシュ | 36MB |
PBP | 125W |
MTP | 253W |
内蔵グラフィックス | インテルUHDグラフィックス770 |
PassMark CPU Markスコア | 60021 |
これまでの「Raptor Lake」モデルのスペックアップといえるCPUで、動作クロックの向上、キャッシュ容量のアップ、コア数の増加により圧倒的な処理能力を誇ります。
それに伴い消費電力と発熱量も大きくなったので、電源容量と冷却性能も重要になってきます。
RTX 4000シリーズと組み合わせることにより、大きなゲーミング性能を発揮できるので、ハイスペックPCとしての運用を目的としたCPUの筆頭と言えます。
「Core i9-13900K」の末尾にある「k」はオーバークロック対応モデルという意味を持ちます
intel製CPU標準のクーラーは使える?
結論から言うと「冷却性能が圧倒的に足りません」。
「Core i9 13900k」は、ハイスペックCPUゆえに発熱量が多いので、標準のリテールクーラーを流用したい方には冷却性能が足りません。
そのため、理想的なCPUファンは冷却性能の高い水冷式です。
本記事で紹介しているおすすめゲーミングPCモデルは、どれも水冷式なので推奨モデルが気になる方や、自作を考える方も参考にしてみてください。
Core i9-13900Kのベンチマーク
ここでは、実際にCore i9-13900Kの性能をベンチマークを使用して数値化し、どのような用途に優れているのかを解説します。
Core i9-13900KのCPU Markスコア
PassMarkは、重い計算処理や動画処理など、CPUを様々な用途で使用した場合の総合的なスコアを評価しています。
基本的にこの値が高いほどCPUの性能が総合的に高いと思っていいです。
前世代のハイエンドモデル「Intel Core i9 12900k」より約40%も性能が向上しており、コア数と動作周波数が上昇している恩恵が現れています。
AMDのハイエンドモデル「Ryzen 9 7950X」とほぼ同等の総合性能を発揮しているので、Intelの最新ハイエンドCPUと言える圧倒的スコアです。
このくらいのスコアであれば、できないことはありません。ゲームだけでなくクリエイターとしての作業にも十分高水準な環境を提供できます。
Core i9-13900KのCinebench R23(マルチコア)スコア
Cinebench(マルチコア)で計測するスコアの主な指標は「マルチコアの性能」です。
マルチコアとは、CPUの頭脳の数のことを指し、マルチコア処理能力とはそれぞれのコアの並列処理能力を指します。
このスコアが高いと、複数のアプリ動作などのマルチタスクに優れます。
マルチコア処理能力になると、24コア32スレッドのハイブリッドCPUの性能が本領を発揮します。
ここでもライバルとなる「AMD Ryzen 9 7900X」とほぼ同じスコアで張り合っています。ハイブリットコアシステムがいかに優秀かがわかります。
動画配信や動画編集などを、高解像度で安定して行える上に、ゲームにおいても4Kなどの高負荷な状況でも安定して処理できるでしょう。
Core i9-13900KやAMD Ryzenシリーズとの比較
ここでは、「Core i9-13900K」と同じくらいのスペックのCPUを比較し、どのようなところが優れ、劣っているのかを解説します。
Core i9-13900K vs Core i9-12900K
世代 | 第13世代 |
コア数/スレッド数 | 24コア(Pコア12+Eコア12) 32スレッド(Pコア24+Eコア12) |
Pコア定格/最大クロック | 3.0GHz/5.4GHz |
Eコア定格/最大クロック | 2.2GHz/4.3GHz |
二次キャッシュ | 32MB |
三次キャッシュ | 36MB |
PBP | 125W |
MTP | 253W |
CPU Mark | 60021 |
Cinebench R23 | 40025 |
価格(2023年1月現在) | 88,000円 |
世代 | 第12世代 |
コア数/スレッド数 | 16コア(Pコア8+Eコア4) 24スレッド(Pコア16+Eコア8) |
Pコア定格/最大クロック | 3.2GHz/5.1GHz |
Eコア定格/最大クロック | 2.4GHz/3.9GHz |
二次キャッシュ | 14MB |
三次キャッシュ | 30MB |
PBP | 125W |
MTP | 241W |
CPU Mark | 42257 |
Cinebench R23 | 30988 |
価格(2023年1月現在) | 72,000円 |
単純にコア数の多さで、「Core i9 12900k」が上回ります。世代も変わっているため妥当な結果と言えるでしょう。
それに加え、動作周波数とキャッシュ容量もスペックアップしているので、ゲームや高負荷な作業をサクサクとこなせる範囲が大きく広がっています。
価格面でも2022年1月現在あまり大きな差はないため、よほどの理由がない限りハイスペックCPUを求めるならば「Core i9-13900K」が優れています。
Core i9-13900K vs Ryzen9 7950X
世代 | 第13世代 |
ソケット形状 | LGA1700 |
コア数/スレッド数 | 24コア(Pコア12+Eコア12) 32スレッド(Pコア24+Eコア12) |
Pコア定格/最大クロック | 3.0GHz/5.4GHz |
Eコア定格/最大クロック | 2.2GHz/4.3GHz |
二次キャッシュ | 32MB |
三次キャッシュ | 36MB |
PBP | 125W |
MTP | 253W |
CPU Mark | 60021 |
Cinebench R23 | 40025 |
価格(2023年1月現在) | 88,000円 |
世代 | 第5世代 |
ソケット形状 | AM5 |
コア数/スレッド数 | 16コア32スレッド |
動作周波数 | 4.5GHz |
最大動作周波数 | 5.7GHz |
二次キャッシュ | 16MB |
三次キャッシュ | 64MB |
TDP | 170W |
CPU Mark | 63551 |
Cinebench R23 | 38916 |
価格(2023年1月現在) | 80,000円 |
基本的なコア数では「Core i9 13900K」が勝るものの「Ryzen 9 7950X」の動作周波数の高さにより、両モデルとも性能はほぼ同等と言っていいでしょう。
差が出るとすれば、ソケット形状からくる価格面となります。
「Core i9 13900K」のソケットは「LGA1700」で12世代との互換性があるので、マザーボードは種類が豊富で価格も約12,000円から揃っています。
一方最新ソケット「AM5」に切り替わった「Ryzen 9 7950X」は、まだマザーボードの種類が少なく、価格も約30,000円からと高めです。
そのため、自作で組む場合や搭載モデルを価格で比較すると、マザーボードによる差が出るので、なるべく安く済ませたい場合は「Core i9 13900K」の方が若干コスパが良くなります。
Core i9-13900Kが向いている用途
「Core i9-13900K」は結局どのような用途に向いているのか簡単にまとめるとこうなります。
用途 | 解説 | 評価 |
インターネット(動画閲覧・ショッピング) | YOUTUBE等で動画を観ながらの、ショッピング | |
ビジネス(Officeソフト・Web会議など) | Officeソフトでの資料作りをしながらの、Web会議 | |
ゲーム | 3Dグラフィックを駆使した流行りのゲーム | |
動画・画像編集 | フルHD・4Kでの動画や画像編集 またはゲームの動画配信 | |
3D制作 | 3D CADやBlenderなどを使用した3Dモデリング |
上記を踏まえて結論を言うと「どのような処理も高いレベルでこなせるCPU」です。
特にゲーム用途においては「RTX 4000シリーズ」を運用するために搭載するCPUとしておすすめです。「RTX 4090」と組み合わせれば圧倒的なゲーミング性能を発揮できます。
4Kでゲームをプレイしながらの動画配信も可能な高性能CPUなので、あらゆる場面で困ることはないでしょう。
しかし、オーバークロック対応モデルのため消費電力が抑えられているハイブリッドCPUと言っても、通常モデルより電力を食います。
「RTX 4090」クラスのモンスターGPUを搭載する予定の方は、電源も多めに1200W確保していると安心です。
Core i9-13900Kシリーズ搭載おすすめPC
ここでは「Core i9-13900K」シリーズを搭載したゲーミングPCをドスパラから紹介します。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
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ZA9C-R37T | Core i9-13900KF | RTX 3070 Ti | 16GB | 1TB SSD |
UA9C-R47T | Core i9-13900KF | RTX 4070 Ti | 16GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
UA9C-R48 | Core i9-13900KF | RTX 4080 | 32GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
ガレリア ZA9C-R37T【Core i9 + RTX 3070 Ti】
グラフィック : RTX 3070 Ti
メモリ : 16GB SDRAM
ストレージ : 1TB Gen4 NVMe SSD
ゲーミングPCとしても高水準な環境で動作し、クリエイターPCとしても運用できるモデルです。
スペック的にはほとんどの4K対応タイトルで60fpsを出すことが可能で、3Dモデルの作成においても快適に動作します。
ポスターサイズの高解像度イラスト作成や、4K環境を常用するのであれば、メモリを32GB以上にすることで安定するので、オプションの構成変更から増設することをおすすめします。
ガレリア UA9C-R47T【Core i9 + RTX 4070 Ti】
グラフィック : RTX 4070 Ti
メモリ : 16GB
ストレージ : 1TB NVMe SSD / 2TB HDD
高コスパかつ「RTX 3090」より性能が高い「RTX 4070 Ti」を搭載したハイスペックPCです。
このクラスであれば、超重量級の『サイバーパンク2077』などを4Kでも60fps超えでプレイ可能です。基本的にゲーム性能に不自由することはないと思っていいでしょう。
4Kでのゲームプレイや動画配信をするのであれば、メモリを32GB以上にすることで更に快適になるのでおすすめです。
ガレリア UA9C-R48【Core i9 + RTX 4080】
RTX 4000シリーズのハイエンドモデル「RTX 4080」を搭載したモンスターマシンです。
物理メモリは標準で32GB搭載しているので、4K環境でのゲームプレイや動画配信などでメモリ不足に陥ることがないため、あらゆる場面でサクサクと動作します。
最強のゲーミングPCがほしいのであればこのモデルがおすすめです。ストレージもSSD 1TB、HDD 2TBとたっぷりあるのでたくさんのゲームをインストールすることが可能です。
Core i9-13900Kに関するよくある質問
- Core i9-13900KとCore i9-13900KFの違いは?
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Core i9-13900KにはIntel UHD 770が搭載されていますが、Core i9-13900KFには内蔵グラフィックスがありません。
- Core i9-13900Kに対応するマザーボードは?
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Core i9-13900Kには、インテル700シリーズと600シリーズのマザーボードが対応しています。
Q670チップセットとH610チップセットのみオーバークロックに対応していません。
- Core i9-13900Kを水冷で使ったときの温度は?
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Core i9-13900Kを水冷クーラーで使用しても、高負荷のかかる処理をした場合100℃に達することがあります。
空冷クーラーでは冷やしきれないため、最低でも簡易水冷を使うと良いでしょう。
- Core i9-13900Kの発売日は?
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Core i9-13900Kの発売日は2022年10月20日で、執筆時点では最新のCPUとなります。
- Core i9-13900Kの電圧は?
-
Core i9-13900Kの平均CPUコア電圧は1.280Vです。
余裕を持った電源容量を選ぶようにしましょう。
Core i9-13900K比較まとめ
今回の記事では「Core i9-13900K」の性能を解説し、搭載おすすめPCを紹介しました。
以下おすすめモデルのおさらいと、まとめです。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
ZA9C-R37T | Core i9-13900KF | RTX 3070 Ti | 16GB | 1TB SSD |
UA9C-R47T | Core i9-13900KF | RTX 4070 Ti | 16GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
UA9C-R48 | Core i9-13900KF | RTX 4080 | 32GB | 1TB SSD / 2TB HDD |
- Intelの最新ハイエンドCPUと胸を張って言えるスペック
- ソケット形状が12世代と一緒なので、マザーボードの価格や種類が幅広い
- 高スペックゆえに発熱と消費電力が高いので、水冷クーラーと大容量電源が必要
「Core i9 13900K」は現在販売されているCPUの中でも、トップクラスと胸を張って言えるスペックを誇っています。
それでいてマザーボードとの互換性を持つので、CPU+マザボのセット価格でハイスペック環境ではIntel製のCPUがコスパで勝っていると言えます。
しかしAMDの「AM5」ソケットマザーボードも時が経てば価格の幅や種類が増加すると考えると、IntelとAMDどちらがコスパ良いのかはハッキリ言えない状況です。
先を見据えるとわかりませんが、今に限って言えばハイスペックCPUの性能差はAMDとIntelにそこまで差はありませんが、コスパは「Core i9 13900K」が一歩リードしています。