PCとモニターを初めて買った人は、「DisplayPort」と「HDMI」のどちらのケーブルで繋げばいいかわからないかもしれません。
結論から言うと
- 4K画質、WQHD画質で144fps以上のフレームレートを出したい→DisplayPort
- フルHD画質で144fps~240fpsのフレームレートを出したい→HDMI
- フルHD画質で60fps~144fpsのフレームレートを出したい→どっちでもOK
以上の基準で使い分けるとPCとモニターの能力を最大限に発揮することができます。
DisplayPortとHDMI、それぞれメリットデメリットもあるのでぜひ最後までお読みください。
DisplayPortの特徴
DisplayPortとは、かつて普及していたDVIの後継として開発された新規格のケーブルです。
HDMIケーブルでは想定していなかった超高解像度での伝送が可能であり、リフレッシュレートも高い水準で描写することが可能です。
DisplayPortのスペック
DisplayPortのリフレッシュレート
解像度 | DP1.2 | DP1.4 |
---|---|---|
8K(7680×4340) | 未対応 | 30Hz(DSC時60Hz) |
5K(5120×2880) | 30Hz | 60Hz(DSC時120Hz) |
4K(3840×2160) | 60Hz | 120Hz(DSC時144Hz) |
WQHD(2560×1440) | 165Hz | 165Hz |
フルHD(1920×1080) | 240Hz | 240Hz |
以上のように、DisplayPortは「フルHD 240hz」や「4K 120hz」など、解像度が高くてもハイリフレッシュレートを維持することができます。
DisplayPortのメリット・デメリット
DisplayPortのメリットはなんと言ってもスペックが高いことで、バージョン1.4なら4Kでも120Hzで描写することが可能です。
一方、規格やケーブルの種類によっては音声を伝送することができないので、別途スピーカーとつなぐ必要があるのはデメリットと言えるでしょう。
さらにPCをよくスリープさせる人は要注意。
DisplayPortは何らかの拍子にスリープ状態からいきなり復帰して画面が点いてしまうことがよくあります。
筆者もDisplayPortでモニターに繋いでいますが、何度スリープさせても勝手に復活するので今は諦めてスリープ設定はしていません。
またマルチモニターや画面を分割して作業しているときにモニターの電源を切ると、開いていたブラウザが初期の配置に戻ってしまうこともあるなど、融通の効かない点もDisplayPort特有のちょっと困った特徴と言えます。
ただし、環境やモニターによってはこれらの不具合が一切起きないという報告もあります。いまのところ明確な解決策があるわけではないので、筆者のように「スリープ機能を使わない」というのが一番単純な対策です。
HDMIの特徴
HDMIの特徴は一本のケーブルで映像と音声どちらも高品質で伝送できる点にあります。
ケーブルを通して機器の電源を入れたり操作をしたりすることができるので、シンプルな操作系となります。
最新バージョンの2.1や現行主流バージョンの2.0ではフルHDで240Hzの描写が可能になり、今後のバージョン次第ではどんどん高性能になっていく可能性は高いです。
HDMIのスペック
HDMIのリフレッシュレート
解像度 | HDMI1.4 | HDMI2.0 | HDMI2.1 |
---|---|---|---|
8K(7680×4340) | 未対応 | 未対応 | 30Hz(DSC時120Hz) |
5K(5120×2880) | 未対応 | 30Hz | 60Hz(DSC時120Hz) |
4K(3840×2160) | 30Hz | 60Hz | 120Hz(DSC時240Hz) |
WQHD(2560×1440) | 75Hz | 144Hz | 240Hz |
フルHD(1920×1080) | 144Hz | 240Hz | 240Hz |
1.4以前のバージョンは今ではほとんど見ることはないので、1.4、2.0、2.1のバージョンに絞って紹介します。
2.0もしくは2.1バージョンであれば基本的にどのモニターでもリフレッシュレートが低くて困るということはありません。
ただし、FPSなどのゲームでは遅延がプレイに影響することを考慮するとDSCを使用した場合のレートよりも通常時のものを参考にした方がよいでしょう。
HDMIのメリット、デメリット
HDMIはケーブル一本で画像も音声も伝送するので、モニター周りをすっきりさせることができます。
またDisplayPortが対応しているのは基本的にモニターだけですが、HDMIはPCにアンプやレコーダー、キャプチャーボードなどとつなぐ場合もすべてHDMIで統一することができます。
ゲーム配信のために外部録画をしたり、アンプで音質を向上させたりしたい人にはぴったりの規格です。
デメリットとしては、端子に爪がついていないので、モニターの上げ下げや向きを変えたりしたときに接続が緩くなることがあるので、注意しましょう。
また、最新のバージョン2.1に対応しているモニターがまだ少ないため、HDMI2.0基準で考えると実際のところは4Kでは60Hzが上限、WQHDでは144Hzが上限となりそうです。
とはいえ、もちろんフルHDモニターでPCを操作する人間にとってはまったく何の問題もありません。HDMIで十分です。
DisplayPortとHDMIの使い分けのポイント
以上、それぞれの特徴とメリットデメリットを紹介してきました。
実際に使い分けるポイントをまとめていきます。
DisplayPortをおすすめする場合
DisplayPortは4K、WQHDなど高解像度のモニターで、高リフレッシュレートを出したい人におすすめと言えます。
特に144hz以上を目指す人はDisplayPortの方が向いています。
もっとも、普通にフルHDで240fpsを出したい人がDisplayPortを使っても全然問題ありません。
「DisplayPortのメリット・デメリット」で前述した不具合がたまに発生するのは玉に瑕ですが、頻繁にPCをスリープさせたり、モニターだけ電源を切ったりといった使い方をしない人にはデメリットにはなりません。
HDMIをおすすめする場合
HDMIはフルHDのモニターを使っている人にはおすすめです。
HDMIの主流バージョンである2.0では240Hzの高レートが可能なので、フルHDでプレイするならDisplayPortと何も変わりません。
最新の規格2.1ではDisplayPortと遜色ない高レートで高解像度を描写可能です。
また離席中にスリープにする人や頻繁に電源オフにする人にもHDMIをおすすめします。
DisplayPort、HDMIの片方しかない場合は変換アダプターを使おう
PCやモニターによってはDisplayPort規格とHDMI規格のどちらかしか搭載されていない、あるいはモニターを増やしたいけど、アダプターが埋まってしまっている、というケースもあるでしょう。
そんなときに使える「変換アダプター」というものがあります。
PC側HDMI端子→モニター側DisplayPort端子に変換するアダプターやその逆もありますが、このアダプターを選ぶ際に「どちらが出力側か」という点に気をつけましょう。
現在発売されているアダプターは一方通行のものがほとんどで、出力側を間違えてしまうとモニターに映像が映らないなどのトラブルの元となります。
またHDMI2.0やDP1.4に対応しているものはまだまだ少なく、高フレームレートを出せなくなる可能性もありますので注意しましょう。
さらにサードパーティ製のものは相性が悪かったり、すぐ故障したりするケースも散見されるので信頼できるメーカーの物の購入をおすすめします。
DisplayPortとHDMI どっちを使えばいいのかまとめ
・4K、WQHDのモニターでリフレッシュレートを優先するならDisplayPort
・フルHDモニター使用ならHDMIでOK
・変換アダプターは選び方に注意
以上DisplayPortとHDMIそれぞれの特徴と向いている環境をご紹介しました。
「おすすめ144hzゲーミングモニター」と「おすすめ240hzゲーミングモニター」で紹介しているモニターは、この記事と照らし合わせて必要なケーブルと同時に購入するようにしましょう。
絶対にこっちがいい!というものではありませんので、自分のゲーミング環境に合わせて選ぶのがおすすめです。
こちらの記事にて、当サイトが厳選したおすすめゲーミングPCを紹介しています。ぜひチェックしてください。