パソコンがウィルスや経年劣化で不調になったり、パソコンを処分する前に個人情報を消す時にはパソコンの初期化が必要です。
初期化には時間がかかるので、事前準備の段階で、本当に初期化すべきかどうか考えをまとめておくといいでしょう。
この記事では、
以上の項目について具体的に紹介していきます。
パソコンを初期化するメリット・デメリット
パソコンを初期化する際には、大きなメリット・デメリットが存在します。
パソコンの動作が明らかに不安定になったり、動作が遅すぎると感じたときにはパソコンを初期化するのは一つの手です。
パソコンを初期化することによって、蓄積されているハードディスクのデータが消去されるので処理速度が本体購入時と同じぐらい速さに戻ります。
他にもパソコン本体を処分・売却などをする場合に、パソコンを初期化することによって内部に入っている個人情報を消去することができます。
しかし、パソコンを初期化するということは、当たり前ですが保存していたすべてのデータが削除されるという大きなデメリットがあります。
「PCゲームの動作が遅くなった」など「パソコンから変な音がする」といった現象がある方は、単純にグラフィックボードが故障していたり、SSDが寿命を迎えつつある、という可能性もあります。
本当に初期化が必要なのか、慎重に判断した上でパソコンの初期化を行いましょう。
パソコンを初期化する前に必要な準備
パソコンを初期化するにあたって、事前に必要な準備がいくつかあります。
- 大切なデータのバックアップをする
- Windows Updateを実行する
- プリンターやルーター、USBメモリなどの周辺機器を外しておく
- ノートパソコンの場合はACアダプターを準備する
OSが「Windows10」の場合を参考にして、詳しく説明していきます。
大切なデータのバックアップをする
初期化を行うとパソコンに保存されているデータやパスワードなど、すべてが削除されます。
一度消えてしまったデータは復元するのが難しいため、大切なデータやファイルは事前にバックアップを取っておく必要があります。
バックアップするデータ量が少ないのであればUSBフラッシュメモリ、データ量が多いのであれば外付けHDD/SSDに保存しておくのがおすすめです。
Windows Updateを実行する
パソコンの初期化をする前に、Windows 10のバージョンが最新かどうかを確認しましょう。
Windows 10のバージョンが古いまま初期化をしてしまうと、初期化中にエラーが起きてしまう可能性があります。
バージョンが最新の状態かどうか確認する方法は下記の手順を参考にしてください。
① Windowsボタン(スタートボタン)をクリックします。
② 歯車アイコンの「設定」をクリックします。
Windows Updateのウィンドウが開くので、更新プログラムのチェックをクリックして最新の状態かを確認します。
最新の状態でない場合はWindowsのアップデートを行ってください。
プリンターやルーター、USBメモリなどの周辺機器を外しておく
初期化を行う際には、プリンターやルーター、USBメモリや外付けHDD/SDDなどの周辺機器は取り外しましょう。
周辺機器を接続したままのパソコンを初期化すると、デバイスドライバーによって初期化中にエラーが起こる可能性があります。
マウスやキーボードなど、最低限操作に必要なもの以外の周辺機器は外しておきましょう。
ノートパソコンの場合はACアダプターを準備する
パソコンの初期化は長時間かかることが多く、初期化最中にパソコンの電源が落ちてしまうと初期化が失敗してしまい、パソコンが起動しなくなるなどのトラブルになる可能性があります。
そのため、初期化中に電源が落ちないようにACアダプターを接続しながら初期化しましょう。
ACアダプターを接続するときに、コンセントの差込口やアダプター差込口などが緩んで外れていないか、しっかりとチェックしましょう。
初期化の種類を確認する
Windows 10の初期化には、
- 個人用ファイルを保持する
- すべてのファイルを削除する
上記の2つの初期化方法があるので、分けて紹介・解説していきます。
個人用ファイルを保持する
「個人用ファイルを保持する」では、Windowsの基本設定を残したままパソコンの初期化を行うことができます。
具体的に何が削除されてしまうか、以下のテーブルをご参考ください。
データ | 個人用ファイルを保持 | すべてのファイルを削除 |
---|---|---|
Windowsに適用されたロールアップ | ○ | ○ |
このパソコンを購入したときにインストールされていたアププリ | ○ | ○ |
ドライバー | ○ | ○ |
このパソコンを購入した後にインストールしたアプリ (ストアからダウンロードしたアプリも含む) | × | × |
アプリの設定 | × | × |
クイックアクセスへ追加でピン留めした登録情報 | × | × |
クイックアクセスに登録されたフォルダーなどユーザーの個人用ファイル | ○ | × |
「ごみ箱」内のデータ | ○ | × |
ユーザーアカウント | ○ | × |
インターネットや無線LANなどのネットワーク接続設定 | ○ | × |
「設定」ウィンドウの設定 | ○ | × |
上記画像の「○」部分にあたる項目は削除されません。
ですが、パソコン本体を購入したあとにインストールしたソフトやゲームなどのアプリはすべて削除されます。
すべてのファイルを削除する
「すべてのファイルを削除する」では、ユーザーアカウントやWindowsの設定がすべて削除されます。
初期化する際に、ドライブを選択して初期化することができるので、Cドライブ以外のデータを残して初期化するということもできます。
また、「ドライブのクリーニング」という項目を選択することで、データを復元されにくくすることも可能です。
パソコンを初期化する方法
「パソコンを初期化する前に必要な準備」が整ったら、いよいよ初期化方法について解説していきます。
ここでは、「Windows 10を起動している状態」で実行できる初期化方法について説明します。
個人用ファイルを保持する初期化方法
「クラウドからダウンロード」と「ローカル再インストール」の主な違いを下記のボックスにて解説します。
基本的には最新の更新プログラムが適用されているWindowsをインストールする「クラウドからダウンロード」を選択すれば問題ありません。
以上で、パソコンの初期化作業が開始されます。
初期化作業は短くて数時間、場合によっては1日かかることもあるので、本体の電源が落ちないように注意しましょう。
すべてのファイルを削除する初期化方法
「すべてのファイルを削除する」でも「個人用ファイルを保持する初期化方法」のStep1~4までと同じです。
下記画像までの到達方法は、「個人用ファイルを保持する初期化方法」のStep1~4までをご参考ください。
「クラウドからダウンロード」と「ローカル再インストール」に関する主な違いはこちらからご参照ください。
ここでは「クラウドからダウンロード」を選択します。
デフォルトではWindowsの再インストールのみに設定されています。
「データのクリーニングの実行」をすると、削除したデータが復元されにくくなります。
パソコン本体を処分・売却などをする方は「データのクリーニングの実行」を「はい」に選択してください。
「すべてのドライブからファイルを削除」は、Windowsがインストールされているドライブのみを削除するか、すべてのドライブを削除するか選択できます。
すべてのドライブのデータを削除したいかたは「はい」を選択してください。
設定の確認が終わったら「確認」ボタンを押してください。
以上で、パソコンの初期化作業が開始されます。
初期化作業は短くて数時間、場合によっては1日かかることもあるので、本体の電源が落ちないように注意しましょう。
パソコン初期化後のにやること
パソコンの初期化段階で、Windowsの再インストールする際に「ローカル再インストール」を選択した方は、Windowsのバージョンが購入したときの状態になります。
購入状態は、古いWindowsのバージョンになっているのでパソコンに脆弱性がある状態です。
まず、初期化後はWindowsのアップデートの確認や、セキュリティソフトの再インストールから行いましょう。
その後、バックアップしたデータをパソコンに取り込むことで、より安全にデータを復帰させることができます。
「クラウドからインストール」を選択した方も、万が一の可能性を考えてWindowsアップデートのチェックはしっかりと行いましょう。
パソコンを初期化する方法まとめ
- パソコンの初期化にはメリット・デメリットがあるので予め知っておく
- パソコンを初期化する前に事前準備をしておく
- パソコンの初期化には時間がかかる
Windows10では、WindowsXPやWindows7の頃に比べると初期化方法が非常に簡単になりました。
「動作が昔に比べて不安定」「ウィルスが入ってしまって削除できない」「パソコン内の個人情報を消したい」という方はパソコンの初期化を試してみましょう。