今回の記事では、AMD Ryzen 7 2700Xの後継機、8コア16スレッドモデルである「Ryzen 7 3700X」についてレビューし、他のCPUと比較も踏まえておすすめのPCも紹介します。
以下の項目を踏まえておすすめPCも合わせて紹介するので参考にしてください。
こちらの記事にて、当サイトが厳選したおすすめゲーミングPCを紹介しています。ぜひチェックしてください。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
XA7R-R36T | Ryzen 7 5700X | RTX 3060 Ti | 16GB | 1TB SSD |
XA7R-R46T | Ryzen 7 5700X | RTX 4060 Ti | 16GB | 1TB SSD |
XA7R-R47T | Ryzen 7 5700X | RTX 4070 Ti | 16GB | 1TB SSD |
Ryzen 7 3700Xの基本スペック
発売日 | 2019年7月7日 |
世代 | 第3世代 |
アーキテクチャ | Zen2 |
コア数/スレッド数 | 8コア16スレッド |
定格クロック周波数 | 3.6GHz |
最大クロック周波数 | 4.4GHz |
ソケット形状 | AM4 |
TDP | 65W |
二次キャッシュ | 4MB |
三次キャッシュ | 32MB |
内蔵グラフィックス | なし |
PassMark CPU Markスコア | 22398 |
2019年に発売された旧モデルではありますが、当時としては約4万円でハイエンドモデルに匹敵するコスパの高さで大人気のCPUでした。
もちろん今でも現役でゲーミングPC用のCPUとして運用できるほど汎用性が高く、今では新品を購入する場合あまり在庫が無く最新モデルのほうがコスパが高いですが、人気CPUだったということで中古も豊富にあるので入手に困ることはないでしょう。
末尾にXが付いているので内蔵GPUはありません。グラフィックボードと合わせてゲーミングPCを構成するためのCPUとなっています。
AMD Ryzen標準のクーラーは使える?
Ryzen 7 3700Xには、LED照明を搭載したリテールクーラー(標準の付属クーラー)が付属しています。
結論から言うと「通常利用であればギリギリ冷却性能は足ります」。
ですが、通常利用で高負荷時に約80°あたりまで上がることもあると考えると、標準付属のクーラーはあまり冷却性能がいいとは言えません。
また、高温時にはファンが最大で回り続けるので音もうるさくなります。
ATXタイプの大型PCケースを使用しているのであれば、筆者の個人的なおすすめはサイドフロー型の大型CPUクーラーです。
サイドフロー型は横に熱を逃がすことにより、効率よくPCケースから温風を吐き出すことが可能なCPUクーラーなので、CPUをピンポイントに冷やすことに関して優秀な性能です。
価格もそこまで高くはないので、高性能CPUの寿命と性能を引き出すためにも、サイドフロー型のCPUファンとセット購入することをおすすめします。
Ryzen 7 3700Xのベンチマーク
ここでは、実際に「Ryzen 7 3700X」の性能をベンチマークを使用して数値化し、どのような用途に優れているのかを解説します。
Ryzen 7 3700XのCPU Markスコア
PassMarkは、重い計算処理や動画処理など、CPUを様々な用途で使用した場合の総合的なスコアを評価しています。
基本的にこの値が高いほどCPUの性能が総合的に高いと思っていいです。
現在主流の「Ryzen 7 5700X・5800X」に迫る性能を出しているため、「Ryzen 7 3700X」がいかに高性能であったかがうかがえます。
総合性能で2万以上のスコアを出せていれば、よほど重いゲームで動画配信をするでもない限りスペック不足になることはありません。
同世代の「Ryzen 5 3600X」と比べてみても一回り上のスペックを持ち、未だに現役も納得の結果となりました。
Ryzen 7 3700XのCinebench R23(マルチコア)スコア
Cinebench(マルチコア)で計測するスコアの主な指標は「マルチコアの性能」です。
マルチコアとは、CPUの頭脳の数のことを指し、マルチコア処理能力とはそれぞれのコアの並列処理能力を指します。
このスコアが高いと、複数のアプリ動作などのマルチタスクに優れます。
マルチコア処理能力になると、コア数で勝るCPUが一気にスコアを伸ばします。
現在ローミドルクラスで人気の「AMD Ryzen 5 5600X」と比べると約20%ほど性能が高いので、「 Ryzen 7 3700X」は未だに現役のミドルスペックCPUと言っていいでしょう。
高水準なマルチタスクを行えるので、このスコアであればゲーム配信や動画編集にも柔軟に対応できるスコアです。
Ryzen 7 3700XやAMD Ryzenシリーズとの比較
ここでは、「Ryzen 7 3700X」と同じくらいのスペックのCPUや、同時期に発売されたモデルを比較し、どのようなところが優れ、劣っているのかを解説します。
Ryzen 7 3700X vs Ryzen 7 5700X
世代 | 第3世代 |
アーキテクチャ | Zen2 |
コア数/スレッド数 | 8コア16スレッド |
定格クロック | 3.6GHz |
最大クロック | 4.4GHz |
キャッシュ容量 | L2:4MB L3:32MB |
TDP | 65W |
CPU Mark | 22398 |
Cinebench R23 | 12355 |
価格(2023年9月現在) | 新品:約40,000円 中古:約25,000円 |
世代 | 第4世代 |
アーキテクチャ | Zen3 |
コア数/スレッド数 | 8コア16スレッド |
定格クロック | 3.4GHz |
最大クロック | 4.6GHz |
キャッシュ容量 | L2:4MB L3:32MB |
TDP | 65W |
CPU Mark | 26639 |
Cinebench R23 | 13808 |
価格(2023年9月現在) | 約26,000円 |
さすがに同じコア数で次世代モデルの「Ryzen 7 5700X」と比べると、価格面と性能面で勝っている部分はありません。
素直に今選ぶなら「Ryzen 7 5700X」がコスパが高く在庫も豊富なので一択です。
Ryzen 7 3700X vs Intel Core i5 12400
世代 | 第3世代 |
アーキテクチャ | Zen2 |
コア数/スレッド数 | 8コア16スレッド |
定格クロック | 3.6GHz |
最大クロック | 4.4GHz |
キャッシュ容量 | L2:4MB L3:32MB |
TDP | 65W |
CPU Mark | 22398 |
Cinebench R23 | 12355 |
価格(2023年9月現在) | 新品:約40,000円 中古:約25,000円 |
世代 | 第12世代 |
コア数/スレッド数 | 6コア12スレッド |
定格クロック | 2.5GHz |
最大クロック | 4.4GHz |
キャッシュ容量 | L2:7.5MB L3:18MB |
TDP | 65W |
CPU Mark | 19384 |
Cinebench R23 | 12455 |
価格(2023年9月現在) | 約25,000円 |
同時期のライバルとして販売されていた「Intel Core i5 12400」とも比較してみました。
コア数で「Ryzen 7 3700X」が勝っているため、総合性能では頭一つ抜けてリードしていますが、並列処理能力は同等のスコアになっています。
これはintel製のチップの作りが、AMD製よりトランジスタを細かく配列できるようになっているためで、コア数の差を感じさせないほどの処理能力を誇っています。
そこまで大きな性能差はない上に、価格が約15,000円ほど「Intel Core i5 12400」のほうが安いので、「Intel Core i5 12400」の方がコスパは圧倒的に高いです。
Ryzen 7 3700Xが向いている用途
「Ryzen 7 3700X」は結局どのような用途に向いているのか簡単にまとめるとこうなります。
用途 | 解説 | 評価 |
インターネット(動画閲覧・ショッピング) | YOUTUBE等で動画を観ながらの、ショッピング | |
ビジネス(Officeソフト・Web会議など) | Officeソフトでの資料作りをしながらの、Web会議 | |
ゲーム | 3Dグラフィックを駆使した流行りのゲーム | |
動画・画像編集 | フルHD・4Kでの動画や画像編集 またはゲームの動画配信 | |
3D制作 | 3D CADやBlenderなどを使用した3Dモデリング |
上記を踏まえて結論を言うと「どのような処理も高いレベルでこなせるCPU」です。
ゲーム用途においては「Ryzen 7 3700X」に対してボトルネックにならない「RTX 3060Ti・4060・4060Ti」あたりが、理想的なゲーミングPC用のグラボです。
グラボの性能が足りていれば、4Kも視野に入ります。
旧世代ながらかなり高水準な処理能力を持っていますが、流石にコスパでは最新世代のCPUには敵わないことは留意しておきましょう。
Ryzen 7 3700Xシリーズ搭載おすすめPC
「Ryzen 7 3700X」搭載PCは現在BTOでは取り扱っていないので、ここでは後継モデルであるRyzen 7 5700Xが搭載されたモデルを紹介します。
それぞれのモデルに見合ったグラボとCPUを搭載していてバランスがいいので、自身の予算や用途に合わせて選んでみてください。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
XA7R-R36T | Ryzen 7 5700X | RTX 3060 Ti | 16GB | 1TB SSD |
XA7R-R46T | Ryzen 7 5700X | RTX 4060 Ti | 16GB | 1TB SSD |
XA7R-R47T | Ryzen 7 5700X | RTX 4070 Ti | 16GB | 1TB SSD |
【Ryzen7 5700X + RTX 3060 Ti】GALLERIA XA7R-R36T
グラフィック : GeForce RTX 3060 Ti
メモリ : 16GB SDRAM
ストレージ : 1TB NVMe SSD
コスパ重視のスタンダードなゲーミングPCを求めているなら、このモデルがかなりおすすめです。
2023年度でも現役で活躍して大人気の「RTX 3060Ti」は、最新ゲームをフルHDの60fps以上で安定して遊べる性能を誇り、軽めのゲームなら4KやWQHDも視野に入るほど。
FPSにおいても144fps以上でプレイできないタイトルはほぼ無いと言っていいでしょう。価格は約15万とかなり求めやすいところに落ち着いているのも非常に嬉しいポイントです。
【Ryzen7 5700X + RTX 4060 Ti】GALLERIA XA7R-R46T
最新グラボの「RTX 4060Ti」は、大人気グラボ「RTX 3060Ti」の後継機にあたります。
単純に性能は「RTX 3060Ti」に比べて約1~2割増しといったところですが、4000シリーズの大きな特徴であるワットパフォーマンスの優秀さで一歩リードしており、省電力設定で動かすことで静音性がかなり向上します。
なるべく消費電力を抑えて静音性を重視したり、少し上の性能やDLSS3を体験したい方の場合はこちらのモデルがおすすめ。
また、最新モデルのミドルスペックなので先を見据えられるため、長年頑張って欲しいスタンダードなゲーミングPCを求めている方にも安心しておすすめできるモデルです。
【Ryzen7 5700X + RTX 4070 Ti】GALLERIA XA7R-R47T
4K環境を常用する用途なら、「RTX 4070Ti」搭載モデルがおすすめです。
「RTX 4070Ti」は、重量級の「サイバーパンク2077」や「StarField」において、DLSSやFSRを使用すれば4Kで60fps前後を出せるほどに高性能なグラボです。
価格も30万円を切るほどコスパが良いので、安定した4K環境とコスパを求めているなら「RTX 4070Ti」はベストな選択だと言えます。
メモリを32GB以上に増設することで、4K環境が安定し更に用途が増える(高解像度の動画編集やVRなど)ので、忘れずにメモリ増設を構成変更から注文しておきましょう。増設をしても30万円を超えることはないので増やし得です。
Ryzen 7 3700X比較まとめ
今回の記事では「Ryzen 7 3700X」の性能を解説し、同シリーズを搭載したおすすめPCを紹介しました。
以下おすすめモデルのおさらいと、まとめです。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
XA7R-R36T | Ryzen 7 5700X | RTX 3060 Ti | 16GB | 1TB SSD |
XA7R-R46T | Ryzen 7 5700X | RTX 4060 Ti | 16GB | 1TB SSD |
XA7R-R47T | Ryzen 7 5700X | RTX 4070 Ti | 16GB | 1TB SSD |
- 旧世代にしては最新ゲームを快適に遊べるまだまだ現役のCPU
- コスパは正直良くない
- 後継モデルの5700Xはコスパが高く人気がある
「Ryzen 5 3700X」は、2019年当時であれば迷わずおすすめできるCPUでしたが、流石に最新モデルと比べるとコスパが非常に良くないため、あえて選ぶ必要性はないCPUです。
もし中古で格安で手に入る機会があれば、このくらいの事ができるんだなという指標として本記事を参考にしていただければと思います。
後継モデルの「Ryzen 7 5700X」は現在も人気のCPUなので、新規に購入する方はそちらをおすすめします。