今回の記事では、AMD Ryzen 5000シリーズの8コア16スレッドモデルである「Ryzen 7 5700X」についてレビューし、他のCPUと比較も踏まえておすすめのPCも紹介します。
以下の項目を踏まえておすすめPCも合わせて紹介するので参考にしてください。
こちらの記事にて、当サイトが厳選したおすすめゲーミングPCを紹介しています。ぜひチェックしてください。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
NEXTGEAR JG-A7G60 | Ryzen 7 5700X | RTX 4060 | 16GB | 1TB SSD |
NEXTGEAR JG-A7G6T | Ryzen 7 5700X | RTX 4060 Ti | 16GB | 1TB SSD |
NEXTGEAR JG-A7G7S | Ryzen 7 5700X | RTX 4070 SUPER | 16GB | 1TB SSD |
Ryzen 7 5700Xの基本スペック
世代 | 第4世代 |
アーキテクチャ | Zen3 |
コア数/スレッド数 | 8コア/16スレッド |
定格クロック周波数 | 3.4GHz |
最大クロック周波数 | 4.6GHz |
ソケット形状 | AM4 |
TDP | 65W |
二次キャッシュ | 4MB |
三次キャッシュ | 32MB |
内蔵グラフィックス | なし |
PassMark CPU Markスコア | 26639 |
2020年11月より発売開始されたRyzen 5000シリーズの、コストパフォーマンス重視モデルとして2022年4月に発売されたZen3アーキテクチャを採用した8コア16スレッドのCPUです。
ほぼ同じスペックで8コア16スレッドの「Ryzen 7 5800X」よりも、クロック数とTDPを若干下げて価格を抑えたモデルで、5800Xがリテールクーラーで満足に排熱できない問題をいくらか解消しています。
ソケット形状もAM4と汎用性の高いソケットで、人気のB450やB550マザーボードにもファームウェアのアップデートだけで搭載でき、Ryzen 3000シリーズからの載せ替え候補として人気が高いです。
AMD Ryzen標準のクーラーは使える?
Ryzen 7 5700Xには、リテールクーラー(標準の付属クーラー)は付いていませんが、3000シリーズを使用していてリテールクーラーをそのまま流用して使いたいという方もいるかと思います。
結論から言うと「通常利用であればギリギリ冷却性能は足ります」。
ですが、通常利用で高負荷時に約80°あたりまで上がることもあると考えると、標準付属のクーラーはあまり冷却性能がいいとは言えません。
また、高温時にはファンが最大で回り続けるので音もうるさくなります。
ATXタイプの大型PCケースを使用しているのであれば、筆者の個人的なおすすめはサイドフロー型の大型CPUクーラーです。
サイドフロー型は横に熱を逃がすことにより、効率よくPCケースから温風を吐き出すことが可能なCPUクーラーなので、CPUをピンポイントに冷やすことに関して優秀な性能です。
価格もそこまで高くはないので、高性能CPUの寿命と性能を引き出すためにも、サイドフロー型のCPUファンとセット購入することをおすすめします。
Ryzen 7 5700Xのベンチマーク
ここでは、実際に「Ryzen 7 5700X」の性能をベンチマークを使用して数値化し、どのような用途に優れているのかを解説します。
Ryzen 7 5700XのCPU Markスコア
PassMarkは、重い計算処理や動画処理など、CPUを様々な用途で使用した場合の総合的なスコアを評価しています。
基本的にこの値が高いほどCPUの性能が総合的に高いと思っていいです。
2019年にハイエンドモデルとして発売された12コア24スレッドZen2アーキテクチャの「Ryzen 9 3900X」に迫るスコアが出ていて、Zen3アーキテクチャで向上したシングルコア性能が非常に優秀なのがわかります。
また、価格も「Ryzen 9 3900X」(約60,000円)の約66%(約40,000円)とコスパにも非常に優れています。
AMD Ryzen3000シリーズと比べてみてもスコアの差は目に見えて変わっています。「AMD Ryzen 5 5700X」は、3000シリーズから載せ替えて違いがハッキリと実感できるラインのCPUと言えるでしょう。
Ryzen 7 5700XのCinebench R23(マルチコア)スコア
Cinebench(マルチコア)で計測するスコアの主な指標は「マルチコアの性能」です。
マルチコアとは、CPUの頭脳の数のことを指し、マルチコア処理能力とはそれぞれのコアの並列処理能力を指します。
このスコアが高いと、複数のアプリ動作などのマルチタスクに優れます。
マルチコア処理能力になると、コア数で勝るCPUが一気にスコアを伸ばします。
一昔前のミドルスペックPCで人気だった「AMD Ryzen 5 3600X」や「Intel Core i5 10400」と比べると、約30%の性能向上が見られ、価格も同価格帯のため「AMD Ryzen 7 5700X」は新世代のミドルスペックCPUと言っていいでしょう。
消費電力を抑えながらマルチタスクを行えるので、このスコアであればゲーム配信や動画編集にも柔軟に対応できるスコアです。
Ryzen 7 5700XやAMD Ryzenシリーズとの比較
ここでは、「Ryzen 7 5700X」と同じくらいのスペックのCPUや、同時期に発売されたモデルを比較し、どのようなところが優れ、劣っているのかを解説します。
Ryzen 7 5700X vs Ryzen 7 5800X
世代 | 第4世代 |
アーキテクチャ | Zen3 |
コア数/スレッド数 | 8コア16スレッド |
定格クロック | 3.4GHz |
最大クロック | 4.6GHz |
キャッシュ容量 | L2:32MB L3:4MB |
TDP | 65W |
CPU Mark | 26639 |
Cinebench R23 | 13808 |
価格(2022年10月現在) | 約36,000円 |
世代 | 第4世代 |
アーキテクチャ | Zen3 |
コア数/スレッド数 | 8コア16スレッド |
定格クロック | 3.8GHz |
最大クロック | 4.7GHz |
キャッシュ容量 | L2:32MB L3:4MB |
TDP | 105W |
CPU Mark | 27844 |
Cinebench R23 | 15228 |
価格(2022年10月現在) | 約39,000円 |
コア数とアーキテクチャもキャッシュ容量も同じモデルなので、性能的にはほぼ同じと思っていいです。
それではどこが違うのかというと、クロック数とTDP(消費電力)とそれに伴う発熱量が変わってきます。
「Ryzen 7 5800X」は「Ryzen 7 5700X」に比べてクロック数が定格で+0.4GHz、最大クロックで+0.1と高周波で動作するCPUとなっており、スコアもそれに比例して上がります。
しかし、高周波で動作するということは、消費電力と発熱も比例して上昇するので一概にメリットとは言えませんし、両モデルの性能を比較したところ誤差レベルなので好みで選んでも差し支えありません。
そのため、性能が大して変わらず価格も少し安くなる「Ryzen 7 5700X」のほうがコスパに優れていると言えます。
Ryzen 7 5700X vs Core i7-12700F
世代 | 第4世代 |
アーキテクチャ | Zen3 |
コア数/スレッド数 | 8コア16スレッド |
定格クロック | 3.4GHz |
最大クロック | 4.6GHz |
キャッシュ容量 | L2:32MB L3:4MB |
TDP | 65W |
CPU Mark | 26639 |
Cinebench R23 | 13808 |
価格(2022年10月現在) | 約36,000円 |
世代 | 第12世代 |
コア数/スレッド数 | 12コア(Pコア8+Eコア4) 20スレッド(Pコア16+Eコア4) |
動作周波数(Pコア) | 2.1GHz/4.8GHz |
動作周波数(Eコア) | 1.6GHz/3.6GHz |
キャッシュ容量 | L2:12MB L3:25MB |
TDP | 65W |
MTP | 180W |
CPU Mark | 31612 |
Cinebench R23 | 21568 |
価格(2022年10月現在) | 約52,000円 |
「Ryzen 7 5700X」と同じく2022年にデビューしたCPUの「Core i7-12700F」とも比較してみました。基本的なコア数やintelのハイブリットコアシステムもあり、性能は「Core i7-12700F」が上回ります。
一方「Ryzen 7 5700X」は性能で「Core i7-12700F」には劣りますが、ゲームや動画編集を快適に行えるラインのスコアは確保しており、価格が2022年10月時点では約16,000円ほど「Ryzen 7 5700X」の方が安いです。
どちらのモデルも性能に対して価格が安いのでコスパに優れ人気のモデルですが、ハイスペックゲーミングPCとして「RTX 3080」クラスのGPUと合わせるなら「Core i7-12700F」がおすすめです。
「RTX 3070」「RTX 3060Ti」あたりのミドルハイクラスのGPUと合わせたい方は「Ryzen 7 5700X」が最適と言えます。
Ryzen 7 5700Xが向いている用途
「Ryzen 7 5700X」は結局どのような用途に向いているのか簡単にまとめるとこうなります。
用途 | 解説 | 評価 |
インターネット(動画閲覧・ショッピング) | YOUTUBE等で動画を観ながらの、ショッピング | |
ビジネス(Officeソフト・Web会議など) | Officeソフトでの資料作りをしながらの、Web会議 | |
ゲーム | 3Dグラフィックを駆使した流行りのゲーム | |
動画・画像編集 | フルHD・4Kでの動画や画像編集 またはゲームの動画配信 | |
3D制作 | 3D CADやBlenderなどを使用した3Dモデリング |
上記を踏まえて結論を言うと「どのような処理も高いレベルでこなせるCPU」です。
特にゲーム用途においては「Ryzen 7 5700X」に対してボトルネックにならない「RTX 3070」あたりが、理想的なゲーミングPC用のグラボです。
よほど重いPCゲームでない限りは、4Kやレイトレーシングで遊べるほどのパワーを発揮できるでしょう。
3Dモデルを使用した作業や、動画編集もサクサクとこなせるので、ビジネス用途にも万能に対応でき、非常にコスパに優れたCPUと言えます。
Ryzen 7 5700Xシリーズ搭載おすすめPC
ここでは「Ryzen 7 5700X」シリーズを搭載したゲーミングPCを紹介します。
それぞれのモデルに見合ったグラボとCPUを搭載していてバランスがいいので、自身の予算や用途に合わせて選んでみてください。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
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NEXTGEAR JG-A7G60 | Ryzen 7 5700X | RTX 4060 | 16GB | 1TB SSD |
NEXTGEAR JG-A7G6T | Ryzen 7 5700X | RTX 4060 Ti | 16GB | 1TB SSD |
NEXTGEAR JG-A7G7S | Ryzen 7 5700X | RTX 4070 SUPER | 16GB | 1TB SSD |
格安でほぼすべてのゲームを楽しめるPCなら「RTX 4060搭載モデル」がおすすめ
グラフィック : RTX 4060
メモリ : 16GB
ストレージ : 1TB NVMe SSD
とにかく格安で快適に遊べるゲーミングPCが欲しい方におすすめなのは「RTX 4060搭載PC」です。
ボトルネックの無い「RTX 4060」を採用し、ストレージもM.2 SSDの1TBを標準搭載しているので、あらゆるゲームが快適に動作し、多くのPCゲームをインストールできます。
最近流行りのタイトルの中では『オーバーウォッチ2(OW2)』や『VALORANT』を、フルHD最高設定144fps張り付きでプレイできるほどのスペックがあります。
それでいて価格が14万円前後と求めやすく、数年先も安定してPCゲームライフが送れるため人気があるモデルです。
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配信環境も快適にしたい方は「RTX 4060 Ti搭載モデル」がおすすめ
グラフィック : RTX 4060 Ti
メモリ : 16GB
ストレージ : 1TB NVMe SSD
PCゲームを高品質な環境でプレイできるだけでなく、動画配信しつつも安定した動作を望むのであれば、この「RTX 4060 Ti」がおすすめです。
動画配信に使うツールとしては「OBS Studio」が多く使われていますが、OBSの設定の中の動画エンコード方式として最も多く選択されているのがGPUで処理をする設定です。
この方式でエンコードする場合、GPUにそれなりのスペックが要求されますが、「RTX 3070」を搭載した本モデルであれば快適にフルHD60fpsの動画を安定して配信できます。
もちろんPCゲームも高画質かつ144fps以上の環境で動画配信をしてもカクつかないので、ストリーマーを目指す方はこのクラスのゲーミングPCがおすすめです。
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最高の環境でプレイしたい方は「RTX 4070 SUPER搭載モデル」がおすすめ
グラフィック : RTX 4070 SUPER
メモリ : 16GB
ストレージ : 1TB NVMe SSD
4K解像度でも60fps以上の環境でPCゲームをプレイしたいという方には、この「RTX 4070 SUPER」がおすすめです。
非常に重いPCゲームとされる『サイバーパンク2077』でも4K+レイトレONでDLSS(パフォーマンス)を使用すれば60fpsを目指せるほどのパフォーマンスが発揮できるので、あらゆるPCゲームで画質に困ることはありません。
もちろんフルHDやWQHDでのプレイ時には144fps以上の環境でプレイできるので、高fps環境が必要なFPSなどの動画配信も快適に行なえます。
数年先も安定してPCゲームをプレイできるスペックなので、長い目で見ればコスパに優れるモデルと言えます。
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Ryzen 7 5700X比較まとめ
今回の記事では「Ryzen 7 5700X」の性能を解説し、同シリーズを搭載したおすすめPCを紹介しました。
以下おすすめモデルのおさらいと、まとめです。
おすすめモデル | CPU | GPU | メモリ | ストレージ |
---|---|---|---|---|
NEXTGEAR JG-A7G60 | Ryzen 7 5700X | RTX 4060 | 16GB | 1TB SSD |
NEXTGEAR JG-A7G6T | Ryzen 7 5700X | RTX 4060 Ti | 16GB | 1TB SSD |
NEXTGEAR JG-A7G7S | Ryzen 7 5700X | RTX 4070 SUPER | 16GB | 1TB SSD |
- 次世代のミドルスペックCPUと言える高性能なスペック
- 同時期に発売されたintel製CPUに比べて価格帯が低め
- 現状のミドルハイスペックまでのGPUとボトルネックが少ない
- 3000シリーズからの移行におすすめ
「Ryzen 5 5700X」の特徴は、8コア16スレッドのCPUの中でもコストパフォーマンスに優れたモデルで、発熱量や消費電力が丁度良く抑えられているので扱いやすいところです。
また、同時期に販売されたintel製のCPUにはコア数の差で性能が劣りますが、その分価格がかなり安くなっており、コスパを求めるユーザーから人気があります。
超ハイスペックゲーミングPCを組みたいという需要には答えられませんが、中の上くらいのスペックでなるべくコストを抑えたい方にとっては非常に強い味方です。