パソコンのケーブルには様々な規格があり、分かりにくい物が多数存在します。
その中でも違いが分かりにくい「Thunderbolt 3」と「USB Type-C」の違いや、それぞれの性能面について解説するとともに、Thunderbolt 3対応のおすすめPCを紹介します。
- Thunderbolt 3とUSB-Type-Cの違いを知りたい
- Thunderbolt 3の特徴を知りたい
- USB-Type-Cの特徴を知りたい
- Thunderbolt 3に対応したおすすめPCを知りたい
上記の項目について詳しく解説していきます。
Thunderbolt(サンダーボルト) とは
「Thunderbolt(サンダーボルト) 」とはパソコンやスマートフォンなどのAV機器に各種周辺機器を接続するための高速通信規格のことです。
今回この記事では同規格としては3世代目となる「Thunderbolt 3」について解説します。
Thunderbolt 3は一般的な通信ケーブルと比較すると、非常に高速な通信を実現しているので、長編動画や画像など、容量の大きなファイルの転送に向いている規格と言えます。
Thunderbolt規格の製品には一部例外もありますが、名前が表すように「雷」のマークがあしらわれています。
Thunderboltは、インテルがAppleと共同開発した高速汎用データ伝送技術です。
2020年1月に、インテルはUSB4規格に準拠したThunderbolt 4を発表しました。
Thunderbolt 3 とUSB-Type-Cの違い
違いが分かりにくく、間違えられやすいThunderbolt 3 とType-Cの違いとそれぞれの特徴を解説します。
Thunderbolt 3は規格、USB-Type-Cはコネクタの形状
前項で解説したように、「Thunderbolt 3」は通信規格のことで、「USB-Type-C」はケーブルのコネクタの形状のことです。
つまり、そもそも別のカテゴリーの用語なので、比べること自体できないのです。
なぜ両社が混同されやすいかと言うと、Thunderbolt 3規格のケーブルのコネクタ形状がUSB-Type-Cであるからです。
また、USB-Type-Cポートを備えたパソコンのスペック表記が「Thunderbolt 3(USB-Type-C)」のような表記を見かけるので、混乱する要因のひとつであると考えられます。
この表記が表すのは、Thunderbolt 3 に対応したUSB-Type-Cポートを備えているという意味です。
Thunderbolt 3の特徴
Thunderbolt 3は、高速通信規格のことであることは何度か述べた通りですが、以下の特徴があります。
- 高速通信が可能である(最大速度40Gbps)
- Thunderboltおよび2と後方互換あり
- ケーブルの長さによって最大転送速度が変わる
- 最大100Wの高速充電が可能
順番に解説します。
高速通信が可能である(最大速度40Gbps)
Thunderbolt 3は高速通信規格なので、高速通信が可能なのは言うまでもありません。
最大転送速度は40Gbpsですが、これは映像用の帯域とデータ用の帯域の合計値であり、データ転送に利用できる帯域は22 Gbpsまでとなります。
Thunderboltおよび2と後方互換あり
Thunderbolt およびThunderbolt 2に対して後方互換性がありますが、ケーブルのコネクタの形状が異なります。
そのため、後方互換として使用するためには、ケーブル形状の変換アダプターが必須になります。
ケーブルの長さによって最大転送速度が変わる
まず、知っておいていただきたいのがThunderbolt 3のケーブルには「アクティブ」と「パッシブ」があります。
Thunderbolt 3は高速通信を実現していますが、長さによって最大転送速度が変わります。
仕様上の最大転送速度である40Gbpsの速度を出すためには、アクティブ方式のケーブルを用意するか、0.5m未満のパッシブケーブルを用意する必要があります。
- アクティブケーブル→信号を増幅・補正することで長距離の伝送を可能にしている
- パッシブケーブル→信号を増幅・補正をしないため、ケーブルの長さによって最大転送速度が変わる
最大100Wの高速充電が可能
Thunderbolt 3ケーブルは対応した機器の高速充電が可能です。
一般的なスマートフォンなどの充電器は5W程度なので、単純に20倍ほど高速な充電が可能です。
ただし、Thunderbolt 3のケーブルの種類によっては、対応していないケーブルもあるので注意しましょう。
USB-Type-Cの特徴
Thunderbolt 3のケーブルとして採用されているUSB-Type-Cには以下の特徴があります。
- 上下左右対称で刺しやすいコネクタ形状
- 高速なデータ転送が可能
順番に解説します。
上下左右対称で刺しやすいコネクタ形状
従来のUSBケーブルを使用したことがある人には良く分かると思うのですが、上下を間違えると挿せないので、イライラしたことがあるはずです。
その点、USB-Type-Cは上下左右が対象になっているため、そういったストレスに悩まされる事なく、スムーズに機器に挿すことができます。
また、ケーブルのホスト側とデバイス側のどちらも同じ形状のコネクタになっているため、どちらをどちらに挿すか確認する煩わしさもありません。
高速なデータ転送が可能
USB-Type-Cケーブルは高速通信規格であるThunderbolt 3に採用されるくらいですので、当然ながら高速なデータ転送が可能です。
具体的な転送速度は以下の通りです。
USBの規格 | 転送速度 |
---|---|
USB 3.0、3.1、3.2 Gen 1 | 5Gps |
USB 3.1、3.2 Gen2 | 10Gbps |
USB 3.2 Gen2x2 | 20Gbps |
ただし、使用する機器によってはそれぞれのUSB規格に対応しておらず、本来の転送速度が出せない場合があります。
Thunderbolt 3に対応したおすすめPC
参考までに、ドスパラで取り扱っているThunderbolt対応のおすすめPCを紹介します。
ガレリア XL7C-R36 11800H
グラフィック : GeForce RTX 3060 6GB
メモリ : 16GB DDR4 SO-DIMM
ストレージ : 512GB NVMe SSD
Thunderbolt が利用できるノートPCの中ではコスパ抜群のモデルです。
高速なデータ転送を実現するThunderbolt 3に対応することにより、別のPC間とのデータのやり取りが非常にスムーズです。
持ち運びが多くなるノートPCという特性上、この点は無視できない利点であると言えます。
Windows 10搭載モデルですが、Windows 11の早期アップグレードに対応したモデルなので、いち早くWindows11の機能を体験できるメリットがあります。
raytrek R5-TA6 32GB
グラフィック : GeForce RTX 3060 6GB
メモリ : 32GB DDR4 SO-DIMM
ストレージ : 1TB NVMe SSD
基本的なスペックは先に紹介した「GALLERIA XL7C-R36」に近いのですが、メモリが2倍の32GB搭載、ストレージも1TB SSDなので余裕があります。
全体的にスペックアップしたことにより、各種ソフトウェアの立ち上がりや動作、OSの起動速度がアップしており、生産性の向上に寄与します。
もちろんThunderbolt 3にも対応しているので、ガッツリ仕事に使う方はこちらのモデルが非常におすすめです。
raytrek スリープフリークス監修 DTMモデル Csus4
グラフィック : GeForce RTX 3060 Ti 8GB
メモリ : 32GB DDR4 SDRAM
ストレージ : 1TB NVMe SSD SSD
ドスパラでThunderbolt 3に対応しているデスクトップPCはラインナップが限られており、その中でもクリエイター向けPCブランドのraytrekではThuderbolt 3に対応しているモデルが存在します。
「raytrek スリープフリークス監修 DTMモデル Csus4」は数少ないラインナップの中でも、高性能なGPUやCPUが搭載されたThunderbolt 3対応デスクトップPCです。
「DTMモデル」と銘打ってはいますが、動画・画像編集などクリエイティブな用途をストレスなくこなせるスペックを持っています。
クリエイターPCは大容量の動画や画像を扱うことが多いため、別の端末へデータを移行する際に、高速なThunderbolt 3に対応している点は大きな利点です。
クリエイターにとって、ファイルの転送の時間の短縮=生産性の向上に繋がります。
このスペックであれば、クリエイター作業だけではなく最新のゲームでも十分に動かせるため、ゲーミングPCとしての活用方法も可能です。
Thunderbolt 3とUSB Type-Cの違いまとめ
この記事ではThunderbolt 3とUSB Type-Cの違いまとめました。
中には難しい用語があったかもしれませんが、両者については
- Thunderbolt 3は規格
- USB Type-Cはコネクタの形状
上記のように捉えていただければ間違いありません。
Thunderboltは、ノートPCに簡単にグラフィックボードを増設できる「外付けグラボ」を取り扱う際にも必須です。
Thunderboltは高速通信も可能なため、頻繁にPCでデータ転送などを行う方には利便性が大きく向上することは間違いありません!